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DENON

DENON Premium Sound

デノン プロダクトレビュー

音に画に、本物のリアリズムを再現する

POA-A1HD

POA-A1HD

¥735,000(税込)

レポート/大橋伸太郎

音に画に、本物のリアリズムを再現する


プリ部とパワー部を分離独立した「セット内コンポーネント」を標榜する一体型アンプが各社から現れているが、電源と筐体を分離したセパレート構成に音質上の利があるのはいうまでもない。現時点でHDオーディオに対応する世界唯一のセパレートアンプが、デノンのAVP-A1HD、POA-A1HDである。店舗や公共施設でデノンのアンプが稼働している姿をしばしばみかける。設置ビジネスの世界から「日夜連続使用して、故障発生率が非常に低い」と信頼を寄せられるのがデノンのアンプである。AVP-A1HD、POA-A1HDはその中のフラグシップである。事実、音質とヘビー・デューティーの両面でミニシアターのサウンドさえ担える、従来のいわゆる「家庭用」とは別次元の内容を持つ製品である。

AVP-A1HD、POA-A1HDの内容をさらってみよう。プリアンプAVP-A1HDは、デノンのAVアンプに共通して採用される高音質サラウンド回路D.D.S.C.HDの集大成といえる製品。デコーダーに32bit浮動演算型を3基使用、ミニマムシグナルパスサーキット採用、D/A、A/DコンバーターとDIRは192kHz/24bitを採用、マスタークロックデザインも高精度化されている。AL24 PlusのD/Aコンバーターを全チャンネルに搭載し、ダブルディファレンシャル動作となった。インターフェースも充実しプリアウト全チャンネルにXLR出力を持つ。パワーアンプPOA-A1HDは電源部の大型トランスをL/R専用に2個備え、さらに2次側から各chに独立させた構成。パーツやラジエーターを各ch毎に独立したディスクリートモノラルコンストラクションで、300W×10ch(4Ω)を同時出力するマンモス・アンプである。BTL&バイアンプに対応している。

AVP-A1HD、POA-A1HD間はバランス接続して聴いた。両機共に完全バランス設計でデノンもXLR使用を強く推奨している。こうした点からも半業務用機的なコンセプトが伺え、事実、ブルーレイディスク映画再生時のセリフの力強い飛び方、厚み、解像感に劇場的なダイナミズムが味わえる。プリ、パワー共に強大な電源を搭載する余裕がSNのよさ、音の立ち上がりのスピード、Dレンジに反映され、コンサートライブを再生した時の演奏の余韻や強弱表現の大きさ、豊かさは息を飲むほど。正にシアターグレードだ。しかし、AVP-A1HD、POA-A1HDは剛直一本な音質でなく、家庭用ハイエンドのシャープでしなやかな解像感を併せ持つ、大ナタの迫力とカミソリの切れ味を兼備したアンプである。SACDを筆頭に、ステレオ音楽ソースでAVP-A1HD、POA-A1HDの繊細な表現力が遺憾なく発揮される。定位の鮮明さ、弱音の瑞々しい美しさは物量を投入し、合理化せずに正攻法で作られたオーディオ製品にのみ味わえる境地である。AVP-A1HD、POA-A1HDはエネルギーの塊のような「熱い」アンプだが、その音場はあくまでしなやかである。映画を再生すればそれはまやかしの「映画」でなく、音楽を再生すれば陰影に富んだ原寸大の演奏が生まれる。豪快さと繊細さ。矛盾とも思える双面性を引っさげAVP-A1HD、POA-A1HDがいま私たちに突きつけるものは、本物の「リアリズム」である。
POA-A1HD 本機の背面端子部。入力端子はRCAとXLRの両方を備える
【SPEC】
【SPEC】●実用最大出力:300W×10ch(4Ω)、150W×10ch(8Ω)●入力端子:RCA×10、XLR×10 ●出力端子:スピーカー×10(各A、B×2) ●コントロール端子系:RS232C、リンクコントロール(IN 1、OUT 1)、トリガー入力×1 ●消費電力:860W(待機電力0.3W)●外形寸法:434W×280H×530Dmm ●質量:60.0kg ●問合せ先:(株)デノン コンシューマー マーケティング TEL/044-670-6612
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