【特別企画】「防音工事で音が良くなる」理由をさらに深堀り

“音の良い部屋”づくりのポイント、定在波対策に必要なこととは? 「Acoustic Audio Forum」取材レポート

編集部:小野佳希

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2015年08月25日
アコースティックデザインシステムが主催する試聴イベント「第21回 Acoustic Audio Forum」。今回は防音工事によって音を良くする秘訣として、特に定在波の観点からの解説を行った。


■「オーディオも川の流れと同じ」

アコースティックデザインシステムは、音楽家のための防音室や業務用スタジオなどを手がける建設会社で、毎月テーマを変えながら同社が行っているのが、この「Acoustic Audio Forum」。一般的なオーディオ機器の試聴会ではなく、プロのミュージシャンやレコーディングエンジニア、オーディオマニアなどに向けて数々の物件を手がけてきた同社ならではの知見からのセミナーで、部屋の環境がオーディオリスニングに与える影響の大きさを体感できることが大きな特徴だ。

なお、ここ数回のイベントでは音出しデモのプレーヤーにスフォルツァートの最高級ネットワークプレーヤー「DSP-01」を使用。電源だけでなくクロックも別筐体にするなどオーディオ的なこだわりが徹底的に詰め込まれた同製品を中心としたシステムで、ハイレゾを始めとした様々な音源を味わえるイベントにもなっている。

スフォルツァートのネットワークプレーヤー「DSP-01」

アコースティックデザインシステム ショールームのデモシステム

同社代表の鈴木泰之氏は、オーディオを川の流れに例えて「プレーヤーにアンプ、スピーカー、そして部屋があって総合的な特性で音を聞いている。上流でキレイな水が流れていても下流では濁った音になってしまうこともある」とコメント。機器だけでなく、部屋まで含めた総合的な視点を持つことの重要性を改めて紹介する。

アコースティックデザインシステム 鈴木氏

スフォルツァートの小俣氏も参加し同社製品について解説

今回のイベントのテーマは「防音工事をすると音が良くなる!!その2」。前回(レポート記事)からさらに歩みを進め、部屋のつくりと音質との関係について、特に『定在波』へ焦点を当てた解説が行われることとなった。

当日はまず、「音量が大きい曲を」(鈴木氏)との意図から鬼太鼓座(おんでこざ)のCDリッピング音源を再生。約105dBに達するほどの音量で和太鼓演奏が部屋に響き渡ったが、「これだけ大きな音でも部屋に音の飽和感が出ない。この部屋の素性を感じてもらえたのではないか」(鈴木氏)と、ちゃんと音響に配慮して設計された部屋でなら大音量のオーディオ趣味を満足できるレベルで楽しめることを紹介した。

■定在波対策で重要なのは“部屋の寸法比”

そして鈴木氏は、我々はスピーカーから再生される直接音だけでなく、壁や天井から反射する間接音も含めて音を聴いていることに言及。低音域になるほど反射音の比率が高くなることにも触れながら、だからこそオーディオ機器だけでなく、その音が鳴るベースである“部屋の響き”に留意するべきであると改めて説明する。

我々が聴いている音の5割以上は反射音で構成されていると説明

「部屋を作ってしまった後から対策しようとするのは非常に大変」

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