【ミニレビュー】写実的な造形力が光る、ティグロンのインシュレーター「MZ-Grande」
今話題のアクセサリーを毎週ピックアップして、音質改善のポイントをコンパクトにご紹介する「オーディオアクセサリーひとくちレビュー」。12月も引き続きオーディオアクセサリー銘機賞2026の「グランプリ」受賞モデルを重点チェック。今回はティグロンの最新インシュレーター「MZ-Grande」をテスト!
ベースの沈み込みが深く胴鳴りが伸びやか
高い制振・電磁波遮断効果を有する純マグネシウム製の新開発「Grande-Cup」の内部に、下から順に1.同社のフラグシップオーディオラック「Grand Magnesia(グランドマグネシア)」にて初採用された「D-REN Tuning Ring」、2.マグネシウム製スパイク受け「MZ-1」、さらに3.同スパイク「MZ-2」を収めた、4層構造のインシュレーター「MZ-Grande」。
ワットソン・オーディオのネットワークトランスポート「Emerson DIGITAL」の下に1個、それに給電するオーディオデザイン「DCA-5V」の下に3個設置してQobuzで試聴してみる。
MZ-Grandeを設置してネナド・ヴァシリッチ『Bass Room』を聴くと、ベースの沈み込みが断然深く胴鳴りが伸びやか!実に気持ち良く歌う。やはりカップを純マグネシウム製にしたことにより絶対的な不要振動吸収性能が相当向上したのだろう。ノイズフロアも非常に低い。
セシル・マクロリン「Thunderclouds」を聴くと各楽音が「正確な」立体音像を結ぶ。すべての楽音の音像が正しく遠近法的に、統一された視点(=聴き手の聴取位置)から描かれると言えば伝わるだろうか。実に写実的な造形なのだ。
ボーカルだけでなくパーカッション等伴奏の各楽音もアタックと余韻の拡がり方が非常に正確かつ自然なので、これに比べるとMZ-Grande設置前の音像描写は対象が複数の視点から捉えられて描かれたキュビズム的な、いささかいびつなものだったとさえ感じられるほどだ。
色々試してみたが、MZ-Grandeは機器の底板を直接受けさせたときと、機器の脚の下に設置したときとの効果の違いが他のインシュレーターよりも大きいようだ。効果が大きく使いこなしも楽しいインシュレーターである。
