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PRウーファーも改良した大規模なブラッシュアップ

熟練された「JET6」搭載のELAC「ELEGANT BS 312.2」、25年を超える歴史を刻み一瞬で魅了する再生音

公開日 2024/01/25 06:30 山之内 正
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■瑞々しく透明度の高い音こそ受け継がれた最良の資質


小口径ウーファーとミニマムサイズのキャビネットの組み合わせからどうしてここまで伸びやかな低音が出てくるのか、今回も最初は低音再生の余裕に耳を奪われた。マイルズ・フロスト「Beat It」のベースとドラムはアタックが緩まず、キレの良さにも磨きがかかっている。レア・デザンドレ「IDYLLE」は伴奏のリュートから思いがけず深い低音を引き出し、ヴォーカルを柔らかく包み込むが、声の発音は前作に増して鮮明で、息遣いのなんと生々しいこと!


ELEGANT BS 312.2の試聴では、アキュフェーズのプリメインアンプ「E-650」をはじめ、CD再生で「DP-570」、ファイル再生でfidataを使用
何曲か聴き進めるうちに、この瑞々しくて透明度の高いサウンドこそ、310シリーズの各世代モデルが脈々と受け継いできた最良の資質だということをあらためて思い知らされた。音楽を聴く楽しむうえで何ら不満を感じない豊かな低音は、アルミ押し出し材を用いた堅固なキャビネットの賜物。低音がぶれずにハーモニーを支えるからこそ、JETトゥイーターの精緻なテクスチャ表現が活きてくる。演奏の躍動感やダイナミックな振幅の大きさを余すところなく引き出し、歌はよりエモーショナルに、ソロ楽器の旋律はより活き活きとした表情を紡ぎ出すのだ。


試聴の際に、スピーカースタンド「LS60」 104,500円(税込/ペア)を採用。スタンドの天板は、BASE BS 312.2を組み合わせた

■高域にシルキーな滑らかさが加わり着実に進化


フランク・ペーター・ツィンマーマンとマルティン・ヘルムヒェンのベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』」は、混濁のないピアノがヴァイオリンの艶やかな音色を際立たせ、どのフレーズも表現の振幅が一段と大きくなったように伸び伸びとよく歌う。弓の圧力を強めて弾き切るスフォルツァートでもアタックがきつくならず、芯のある高密度な音を鳴らす。瑞々しい鮮度の高さやアタックの勢いなど、JETの良さを引き継ぎつつ、ヴァイオリンやソプラノの高音域にはシルキーな滑らかさが加わり、歴代のJETドライバーと比べても着実かつ確実な進化を遂げていることに気付く。

ELEGANT BS312.2の長所は、そうした音質面でのアドバンテージを音源のジャンルや編成を問わず、共通して味わえることにある。ボブ・ジェームス「Feel Like Making LIVE!」の音数が多い曲では立体的に交錯するリズムの構造がとてもよく見えるし、ヴィキングル・オラフソンの「J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲」は音色を吟味し尽くした最弱音の響きの美しさに息を呑む。小音量で聴いてもここまで演奏のリアリティや鮮度を保つスピーカーを見つけるのはとても難しい。


[SPEC]
●形式:2ウェイ・バスレフ型 ●ユニット:JET6 トゥイーター×1、115mm AS XRコーン ウーファー×1 ●クロスオーバー周波数:3.2kHz ●周波数特性:42Hz〜50kHz ●能率:88dB ●インピーダンス:4Ω ●外形寸法:123W×208H×282Dmm ●質量:7.2kg

(提供:ユキム)

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