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PRミドルクラス「Signature Elite」で検証

評論家がPolk Audioのスピーカーを使って「自宅でマルチチャンネル」構築してみた

公開日 2023/12/01 06:40 逆木 一
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5.1chでテスト(フロント:ES50/センター:ES30/サラウンド:ES15/サブウーファー:MXT12)



サブウーファーのMXT12を加えると、部屋全体に音が充満する感覚が、一層鮮明になる。サラウンドに期待される「包囲感」の最後の一押しになる、そんなイメージだ。とはいえ、フロントのES50・サラウンドのES15ともにじゅうぶんな低域再生能力を備えているため、「サブウーファーを使わないと再生音が物足りなく感じる」というものではなかった。

MXT12

あとは写真を見てもわかるとおり、さすがにMXT12は、部屋の広さに対してサイズも含めて過剰気味の感は否めない。ごく普通の6畳程度の居室では置き場所に難儀するのは言わずもがな、LFEが炸裂するシーンでMXT12が活躍しすぎて盛大に低音が飽和してしまい、そうならないためにはかなりボリュームを絞らざるを得ず、すると今度は全体的に効果が寂しくなってしまう。AVアンプ側の設定でスピーカーとのクロスオーバーもあわせて色々と追い込んでみたが、なかなか上手い落としどころを見つけるのが難しかった、というのが正直な印象だ。

MXT12のサブウーファーとしての素性の良さ自体はしっかりと感じられたので、もっと広い部屋ではさらなる活躍をしてくれるだろうという確信とともに、今回のテスト環境ではES50の低域再生能力で不満を感じることはなかった、というのを結論としたい。

これからホームシアターを始めたい方にも最適



今回はPolk Audioのスピーカーによるマルチチャンネル・サラウンドがテーマということで、フロントにES50、センターにES30、サラウンドにES15、サブウーファーにMXT12を用いた5.1ch構成をテストした。その結果、しっかりとした性能の高さに裏打ちされた「楽しめる音」を味わうことができた。

筆者はオーディオという趣味の世界で、コストパフォーマンスという言葉はあまり使いたくないのだが、いずれにせよSignature Eliteシリーズのスピーカーは、価格に対する満足度という点で高く評価できる製品であることは間違いない。レビュー期間中に文中で紹介した2タイトル以外にも様々な映画を見て、長時間のゲームプレイも通じて、その印象はいっそう強まった。

最後に伝えておきたいことが一点。これからホームシアターを始めようとする人は、いきなり気合いを入れて、最初からこの布陣を揃える必要はない。

まずはES15でもES10でもいいので、ステレオスピーカーを導入することがスタートでいい。その後に、より高い再生能力を求めてES50を導入するのもいいし、ES15を買い足すのでもいい。そうすれば、今まで使っていたスピーカーを後ろに回すことで、4.0chのシステムを構築する準備が整う。マルチチャンネル・サラウンド環境への発展はこんなにも簡単だ。ぜひ、臆することなく踏み込んできてほしい。

(提供:ディーアンドエムホールディングス)

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