進化を続けるフラグシップ、ニコン「Z 9」特別レビュー

■Z 9は、ニコンによる “次世代の理想のカメラ”へのチャレンジ

今回、最新ファームウェアを適用したZ 9を使ってみて、改めてニコンの目指す“理想のカメラ”の姿と、そのベースとなるポテンシャルの高さ、ファームアップでさらに増した完成度の高さを体感できた。

開発スケジュールや現場検証などから優先順位を考えて、Z 9発売当初に搭載しなかった機能や改善点がたくさんあることは容易に予想できる。

だが、まずはZ 9という“理想のカメラ”のベースを発売することを優先させ、その後の進化を“UNSTOPPABLE”というキャッチフレーズで表現した。そしてファームアップを重ねることで性能も機能も大幅に進化し、本機は発売時よりさらに魅力的な存在になっている。

「フラグシップ機＝プロ機」と思われる方は多いだろう。だが、ニコンが本機でチャレンジしたのは、次世代の理想のカメラである。そのコンセプトや培った技術は、近い将来、一般ユーザー向けモデルにも展開されていく可能性を秘めている。そんな視点で本機を見ると、ワクワクするような要素を満載したモデルに見えてくる。

もし機会があったら、ぜひ一度、この「Z 9」を手にすることをオススメする。機能などへの知識がさほどなくても、ファインダーを覗き、シャッターを切ってみるだけでも、カメラとしての完成度の高さをひしひしと感じることができるだろう。