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【特別企画】フォノイコとプレーヤーでテスト

フルテックの電源ケーブルでレコードの音をクオリティアップ! グレードごとに4モデル聴き比べ

公開日 2022/08/16 06:30 山之内 正
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アナログレコード再生の魅力と言っていい、潤いある豊かな表現性や、心に響く実体あふれる音。愛機から、音楽を聴く感動をより一層高めてくれる再現力を一層引き出すには、「電源ケーブル」の交換&グレードアップが効果的だ。フォノイコライザーはもちろんプレーヤーでも、微弱な信号を扱う部分だけにその効き方は想像以上にストレートだ。ここでは電源ケーブルの特徴が、聴く音楽にどのように反映されるのか。さらに電源ケーブルをどう選び、使い分けるべきか、そのコツを探った。

フルテックの電源ケーブル、(1)「The Astoria」 26,400円、1.5m(税込)、(2)「The Roxy」 29,700円、1.5m(税込)、(3)「The Empire」 41,800円、1.5m(税込)、(4)「Powerflux NCF-18」 327,800円、1.8m(税込)

微弱な信号を扱うアナログレコード再生は良質な電源ケーブル選びが肝心
■電源ケーブルによる音の差は、意外なほどに大きいものだ

電源の品質は音質の良否に直結する。なかでも微弱な信号を扱うレコードプレーヤーやフォノイコライザーは外来ノイズの影響を受けやすいので、上流側からクリーンな信号を送り出せるように電源にも十分気を配りたい。そのかなめとなるのが、電源ケーブル。ノイズや振動の影響を遮断する良質なケーブルを選ぶことが肝心だ。

とはいえ、数多くの電源ケーブルのなかからどれを選べばいいのか、迷う人が多いと思う。製品ごとに素材や構造に特色があり、実際に聴いてみると音の違いは意外なほど大きい。ここではフルテックの電源ケーブル4モデルに注目し、素材や構造による音質傾向の違いを明らかにしながら、使い分けのノウハウを探っていく。

電源ケーブルの音の違いを試聴レポート
■フルテックの4モデルをフォノイコライザーとプレーヤーで比較

電源関連パーツとアクセサリーの豊富な開発経験を持つフルテックは、電源ケーブルのラインナップが特に充実している。今回はそのなかから、スタジオパワーシリーズの「Astoria」と「Empire」、スリムラインシリーズの「Roxy」、そしてフラグシップの「Powerflux NCF-18」の4製品を選び、それぞれをフォノイコライザーアンプ(アキュフェーズC-47)と、ターンテーブル(テクニクスSL-1000R)のモーターユニットに用いて聴き比べていく。

導体は「Astoria」と「Empire」はPC-Triple C、「Roxy」がα- OFC、NCF-18はα導体(OCC)を使用しており、インレット側のコネクターは「Roxy」のみがスリムな形状のものを採用している。

そのほか、絶縁体やシールドにも細かい違いがあるが、ノイズに加えて静電気と振動を遮断するプラグとコネクターを投入した「NCF-18」は別格というべきハイエンド仕様。価格が近い他の3モデルと「Powerflux NCF-18」の間にはどのぐらいの違いがあるのか、これも興味深い試聴になりそうだ。

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