PR独自の3Dクッション構造もより効果的に
硬軟2つの素材の良さを「ダブルウェーブ加工」で一体化!次世代SpinFit「W1」の音質を体験
今回は有線イヤホンの人気モデル、ハイクラスのモデルをピックアップし、各イヤホンの純正イヤーピースや、SpinFitの従来モデルと比較試聴しつつW1の特徴を探ってみた。
まず、最初に試してみたのがゼンハイザー「IE 500 PRO」だ。こちらは純正イヤーピースとしてシリコンとフォームの2種類が付属しており、どちらもバランスがよく、全体をそつなく纏めてくれるサウンドが特徴となっている。
これをW1に交換すると途端にダイレクト感の高まった音となり、キレのよい高音や距離感の近いヴォーカルを聴かせてくれるようになる。まさにプロ向けモニターイヤホン、というイメージ通りのサウンドだ。これは、W1のフィット感の高さから生み出されるものなのだろう。IE 500 PRO本来のサウンドキャラクターはこちらのほうで、純正イヤーピースによってそれを“聴きやすい”音色に纏め上げている様子が窺えた。
W1はイヤホン本来の音を邪魔せず、ストレートに表現してくれている。また、左右での音色傾向差を全くといっていいほど感じないなど、3Dクッション構造ならではのメリットも十分に発揮されている。
軟質シリコン素材は吸着性がよく、耳から外れにくいことにも驚いた。サラッとした感触も心地よく、長時間使用し続けた場合、純正イヤーピースよりもストレスが軽減されそう。W1の完成度の高さを実感させられることとなった。
SpinFitの従来モデルから、「CP100+」も試してみた。CP100+や、そのベースとなった「CP100」は、SpinFitのもつ幅広いラインアップのなかでもスタンダードモデルといっていい存在であり、有線イヤホンをメインに幅広い製品に対応している点が特徴となっている。
こちらとIE 500 PROも決して悪くない組み合わせで、ダイレクト感の高さはW1とほぼ変わらない。ただ、低域/高域ともに伸びがゆるやかで、何よりも、装着時の肌触りのよさはW1のほうが圧倒的だ。
続いて、AKG「N5005」を試してみる。というのも、本モデルには専用設計されたSpinFit「CP145」が付属しているためで、こちらとW1のサウンドを比較してみた。
正直、N5005とCP145のマッチングは抜群で、明瞭なフォーカス感と聴き心地のよさが巧みに両立した、良質なサウンドを楽しませてくれる。これ以上の纏まりのよさはそうそう実現しないだろうと思いつつ、W1に交換してみると、いい意味で期待を裏切られることになった。
何よりも、ほんの僅かに感じられた高域のざらつき感がいっさいなくなり、とてもクリアな音に変化してくれる。低域も、よりフォーカス感が高まったように感じる。さらに、耳から外れにくくなり、肌触りが随分心地よいなど、装着感に関する向上がめざましい。N5005オーナーは、ぜひW1で最新SpinFitの進化のほどを確認してもらいたいと思う。
もうひとつ、Acoustune「HS1300」でも試して見た。実はこちら、個人的に「ST300」というカスタムイヤーピース(耳型を取って製作するHS1300専用イヤーピース)も製作しているため、純正イヤーピース/W1/ST300の3種類を比較できる環境にあったからだ。
Acoustune純正イヤーピースは人の耳型の分析に基づくこだわりの造りをしていることもあってか、こちらも巷では好評を得ているイヤーピース。しかし筆者の耳においては唯一、やや傘部分の表面が滑りやすいことが気になっていた。今回のテスト時にも、耳からイヤホンが徐々に外れていってしまうことがあったが、W1に交換するとこれが瞬く間に解消。イヤホン本体をしっかりと固定してくれた。それでいて装着感は良好なのだからありがたい。また、密閉感が向上しているのだろう、低域がより力強くなっていた。
最後にカスタムイヤーピース「ST300」へと変更してみる。こちらとHS1300の相性はかなりよく、帯域バランスが取れていて、音色が自然。さらに、空間的な表現がしっかりと出てくるようになる。これに対してW1はダイレクト感が高い、もっと距離感の近い音で、両者では随分と方向性が異なっている。ST300とW1、どちらがよいかは好みの分かれるところだろう。ただ、オーダーメイドのカスタムイヤーピースとよい勝負ができるW1の実力の高さ、コストパフォーマンスの高さには驚くばかりだ。
このようにSpinFitの新イヤーピースW1は、音質と装着感の両面で、とても魅力的な製品だと感じた。従来のSpinFitを愛用している人はもちろんのこと、純正イヤーピースしか使ったことがない人にも是非試してみて欲しい、完成度の高い製品だと断言しよう。
(企画協力:SpinFit)