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ソニー「SA-RS5」実力チェック! 独自の立体音響技術で「部屋の広さを遥かに超えた音空間」を実現

公開日 2022/05/20 06:30 折原一也
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まず、HT-A7000は冒頭でも説明した通りソニーのサウンドバーのフラグシップ機。本サイトで一度単体のレビューを掲載しているので参照してもらいたいが、ドルビーアトモスやDTS:Xといった、映画でも使用される立体音響技術にも対応する最上位モデルだ。ホームシアター機器では、例えば実際は前面にしかスピーカーを設置していないのにリアスピーカーも使っているかのような音空間を感じられるバーチャルサラウンド技術が盛んだが、立体音響とは、そのバーチャルサラウンドよりも高度に、よりリアルな音場をつくりだすものだ。

一方で、ソニーからはHT-A7000と同時期にHT-A9という4本のスピーカーを用いた独創的なホームシアターシステムが登場していた(鴻池賢三氏によるレビュー記事)。そして、そのHT-A9には、最大12個のスピーカーを仮想的に生成するソニー独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」が採用されている。

「360 Spatial Sound Mapping」では、スピーカー間や天井までの距離を内蔵マイクで計測。空間に最大12個のファントムスピーカー(仮想音源)が存在した場合の音の波形をシミュレートして、実際に空間上に再現する。言い換えると、空間上に存在する音そのものを作り変える技術だ。個人の知覚の差による影響がなく、サラウンド体験が働く範囲も広い。ファントムスピーカーをつくりだすという点が、一般的なバーチャルサラウンド技術と大きな違いだ。

実際のスピーカーのほかにも仮想的なスピーカーをつくりだすことで広大な立体音響を生成

これらの技術を踏まえた上での、今回の新製品リアスピーカーSA-RS5の登場だ。サウンドバーのHT-A7000をソフトウェアアップデートした上でSA-RS5を追加すると、「360 Spatial Sound Mapping」対応のシステムとして利用可能となる。これは、元々搭載していたものとは根本的な技術思想の異なる立体音響技術への対応というアップデートを含んでいるのだ。

SA-RS5

■設置自由度の高さも魅力的な「SA-RS5」

そしてもちろん、SA-RS5自体も、なかなか作り込まれている。まずスピーカーユニットの構成も独特で、トゥイーター、ウーファー、パッシブラジエーターに加えて上向きのイネーブルドスピーカーも搭載。HT-A7000とのワイヤレス接続においては、部屋の広さやスピーカー間の距離などを正確に計測した上で自動音場補正してくれるので、左右スピーカーの距離、スピーカーを置く高さなどの対称性を気にせず設置できる。

また、この手の製品としては異例のバッテリー内蔵スピーカーだという所も注目ポイント。ホームシアターシステムでのワイヤレスリアスピーカーはスピーカーケーブルの配線は省けても、各スピーカーごとに外部電源が必須という製品も多い。しかし、SA-RS5は充電時以外は電源ケーブルすら不要な、本当のワイヤレスで利用可能な仕様なのだ。

バッテリー内蔵なので、充電をしておけば、電源ケーブルのない完全にワイヤレスな状態で使用可能

バッテリー性能は最大で約10時間駆動が可能で、10分間の充電で90分使用可能な急速充電にも対応。縦型のコンパクトなデザインで、前述のように設置位置の自由度も高いので、ふだんはHT-A7000だけでテレビの音を気軽に強化しておき、より本格的な音場を楽しみたいときにだけ本機を増設するといったこともできる。

底面部。充電しながらでも使えるように配慮したつくりになっている

リアスピーカーというのは、リビングでも書斎でも生活環境への導入を考えると置き場所に悩むことが多いのも現実。その点、SA-RS5の「360 Spatial Sound Mapping」対応とワイヤレス化は、設置のお悩み解決手段としてよく考えられているのだ。

■音質レビュー:音が背後にしっかり回り込むとともに横方向にもとびきりに空間が広がる

それでは、いよいよ製品体験をレポートしていこう。

次ページHT-A9の「360 Spatial Sound Mapping」とはどう違う?

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