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ワイヤレスの手軽さで音楽全体の表現力もアップ

デノンのサブウーファーは低音だけじゃない!「DENON HOME」4.1chが魅せる広大&リアルなサウンドステージを体感

公開日 2022/05/02 06:30 海上 忍
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最初に試聴した『ボヘミアン・ラプソディ』のLIVE AIDシーンには、サブウーファー導入による低域アップ以上に、サウンドシステム全体のグレードアップを実感させられた。アリーナに集まる観客の歓声が地鳴りのように響き、自分もその場にいるかのように音に包まれる。最大20mmというロングストロークの効果か、あるいはバスレフポートの設計の巧みさか、低域の量感は20cm径のサブウーファーとは思えないほど。

DENON HOMEシリーズでの4.1chを試聴。低域の増強のみならず、「音楽の表現力」が大きく向上する

Dolby Atmosらしい高さ方向の表現力はサウンドバーによるものだが、DENON HOME SUBWOOFERをオフにすると臨場感はシュリンクする。低域の量感・情報量が減るのはやむを得ないにしても、音場の幅・奥行きまでがスケールダウンしたように感じてしまう。

Dolby Atmosのトレーラー「Leaf」も、DENON HOME SUBWOOFERをオン/オフして聴き比べると、音場の広さ・自然さはオンのときのほうが確実に上回る。大きく円を描きつつ落下する葉には高さ方向の情報量があり、落下する様を音で表現することはもちろん、サウンドバー単機では難しい広大なサウンドステージを実現していることがわかる。サブウーファーが低域のみならずサラウンドシステム全体を補完し、描写力を高めているかのようだ。

スマホからワイヤレスでの操作が可能だが、背面にはボリュームなどの物理ボタンも搭載する

サブウーファーは音楽再生にも有効!小型スピーカーもゴージャスに

一般的なステレオ音源にも明らかな効果がある。ノラ・ジョーンズ「Don't know why」では、低域の量感が増し、楽曲全体の再現性・解像感が向上するというサブウーファーらしい効果は言うに及ばず、定位が明確になりボーカルの立ち位置では前後感がつかみやすくなる。

中高域方向の再現力に余裕が増すのは、やはりオートバランス機能の効果だろうか。ここまでくると、サウンドバーによる簡易的なステレオ再生というより立派な2.1chシステムだ。

その流れで、リアに用いる2台のDENON HOME 150をフロントに据えた2.1chシステムも試してみた。リア/フロントに使うスピーカーを変更する作業はHEOSアプリですぐに完了。あるときはシアターシステムとして、またあるときは各部屋に設置するワイヤレススピーカーとして使えるDENON HOMEシリーズの臨機応変さは、このような場面でも生きてくる。

DENON HOME 150との組み合わせは、サウンドバーのときと比べれば音の密度感・押し出し感の点でやや穏やかだが、やはり音場が広く中高域に感じる余裕は明らか。音楽/ステレオ音源はもちろんのこと、映画やドラマもより楽しめるに違いない。設置場所の都合でサウンドバーは厳しいけれど迫力ある音、広がりのある音を求める層には、こちらの組み合わせのほうが提案性はありそうだ。

DENON HOMEシリーズ専用機として登場した「DENON HOME SUBWOOFER」。やはりメインはホームシアター用途になるだろうが、「音」がアイデンティティのデノンが手掛けたサブウーファーなだけに、ただ低音の量感を増すだけではない。その広大でリアルなサウンドステージを体感すれば、ワイヤレスサウンドシステムもここまで来たか、そう頷くこと請け合いだ。


(D&Mホールディングス)

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