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現実的なサイズ/価格帯のオーディオ用バッテリー

ホンダがオーディオ用バッテリー参入。アクセサリー銘機賞グランプリの本機を審査委員6名が語る

公開日 2019/12/10 06:00 福田雅光/井上千岳/生形三郎/鈴木 裕/炭山アキラ/林 正儀
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●炭山アキラ


聴感上のS/Nが劇的に向上。音の世界がまるで変わる効果

国内自動車メーカーの中でも、とりわけ「自分たちの作りたい車」を作っている、というイメージの強いホンダが、自社のポータブル電源をベースに、とことんこだわったオーディオ用バッテリー電源を作ったというから、これはもう注目せずにどうする、というものであろう。

早速私も試す機会に恵まれたが、まず普通にACで聴き、本機につなぎ替えたと思ったら、もうまるで世界が変わってしまった。まずは聴感上のS/Nが劇的に向上し、音場の見通しが遥か広大となり、そこへまさに実物大の音像が展開。声や楽器の音色にもガシャガシャしたところがまるっきりなくなった。

これまでいろいろなクリーン電源装置を聴いてきたが、ここまで清浄な音を実現したものはなかった。しかも、概してDC駆動時は若干低域方向の力感がアッサリする方向になることが多いが、本機の場合、むしろ力をつけてくるようなイメージもある。非常に画期的なバッテリー電源だと感じられた。

日本に住む限り必ずやってくる、災害に備えたバックアップ電源も兼ねて、ぜひ導入したいものだ。


●林 正儀


音量がはっきりと増大する、かつてないオーディオ体験

東京モーターショーでも出展された、ホンダの“音楽仕様”バッテリー電源だ。大手自動車メーカーが参入したことがトピックスだが、内容や性能面も魅力的で大いに食指をそそられる。

拙宅で試聴しているが、リチウムイオン電池やインバーターのクオリティも高く、フルテックの高級コンセントや数々の高級パーツ、電磁シールド対策の成果が音質に生きているのだ。定格300Wの出力に不足はないが、できれば各コンポ専用で使うことを薦めたい。

充電後はACコンセントから切り離すことがセオリーで、波形歪みがなく、S/Nや音のフレッシュさがまずは驚異的。音像がピンポイントで輪郭がまったく滲まないことや、包まれるような空気感など、生音に近いヴォーカルや楽器のニュアンスがあり、音量もはっきり増大した。立ち上がりが高速で、エネルギー密度たっぷりに押し出してくる。ジャズライブの熱さが倍増したような錯覚である。ポータブル性も好ましい。

これはクリーン電源を越えたのではないか。かつてないオーディオ体験であり、グランプリ受賞にふさわしい。
<Specification>
●電源供給方式:バッテリーインバーター(独立電源)●内蔵電池タイプ:充電式リチウムイオン電池●電池容量(Wh): 377●出力:定格出力〔W(VA)〕=300/最大出力〔W(VA)〕=500●運転時間(50W時):約4〜6時間●充電時間:約6時間●充放電寿命(サイクル): 1,000以上●電気取り出し口:交流コンセント=2口/USB出力端子=2口●付属充電器:AC充電器●外径寸法:266W×182D×248Hmm●質量:5.4kg●取り扱い:本田技研工業(株)
本記事は季刊・オーディオアクセサリー Vol.175 Winterからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。

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