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組み合わせ試聴+単体音質もチェック

躍進のモデルチェンジ、5万円で大型SPも鳴らす! デノン「PMA-600NE」「DCD-600NE」レビュー

公開日 2019/09/28 06:30 生形 三郎
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デノンから、プリメインアンプ/CDプレーヤーの新たなラインナップ「600NE」シリーズが登場した。本シリーズは、デノンのフルサイズコンポーネントの新たなエントリークラスを担うもので、これまで長年にわたって同社のエントリー機であったプリメインアンプ「PMA-390」シリーズとCDプレーヤー「DCD-755」シリーズの後継機となる。つまり600NEシリーズは新たな入門機なのだ。

「PMA-600NE」¥52,000(税抜)

「DCD-600NE」¥47,000(税抜)

両シリーズは、初代「PMA-390」が1991年発売、初代「DCD-755」が2000年に発売と、日本最長クラスの超ロングラン記録を持つベストセラー製品であった。そんな日本で最も長く愛されたエントリーシリーズが刷新されるというのだから、これは大ニュースである。両シリーズの最終モデルである「RE」シリーズの登場から、はや7年。現在のデノンサウンドの代名詞である「NE」シリーズの流れを汲む、新たなエントリーラインの実力と魅力を、ここで検証したいと思う。

音質向上とトレンド対応を両立する、“超”ロングセラーの後継「600NE」シリーズ

「PMA-600NE」は、45W+45W(8Ω)の定格出力を持つプリメインアンプだ。従来モデルの「PMA-390RE」(以下、390RE)と比べると数値上は5Wダウンとなるものの、上位クラスの「800NE」シリーズと同等の高音質パーツが数多く採用されるとともに、Phono/CD入力ではアナログスイッチの代わりにリレーを採用して信号の流れを改善、信号経路全体を通してシグナルパスの大幅な最短化を実現するなど、駆動部のクオリティは確実なグレードアップを遂げている。

PMA-600NEは、まず上位クラスの技術によって着実な音質向上を図っている

そしてこの度、新たにデジタル入力が搭載されたことも大きなポイントである。同軸デジタル入力や光デジタル入力に加えて、Bluetooth接続が搭載され、入力系統が大幅に増強されている。さらに、同社のAVアンプチームとの連携によって徹底したグラウンドの安定化が実施され、入念なノイズ対策が施されているという。よって、通常時のS/Nの確保はもちろんのこと、使わないときにそれらデジタル系回路への電源供給をストップする「アナログモード」を搭載するなどの配慮も万全である。

加えて、390RE同様にMMカートリッジ対応のフォノイコライザーアンプも備えるので、無線接続からアナログディスク再生まで、実に幅広いソースに対応する。そのほか細かな変更としては、ラウドネス機能が省かれるとともに、スピーカー出力が2系統から1系統のみに縮小されたが、一方で新たにサブウーファープリアウトが搭載されている。

旧来のシリーズの時代よりも普及が進んだデジタル/ワイヤレスも、音質に配慮しつつ取り入れている

アンプ部は最小限の回路と素子で、鮮度が高く強力な増幅を行う

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