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【特別企画】操作感/音質が強化された“Mシリーズ” の代名詞

今欲しい機能が“全部入り”の先進DAP。4.4/2.5mmバランス端子搭載、FiiO「M11」レビュー

公開日 2019/06/11 06:00 編集部:成藤 正宣
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カジュアルに使えるコンパクトモデルから、真正面から音質を追求するコアユーザー向けモデルまで、ポータブルオーディオ市場に手頃な価格で多彩なラインナップを届けてくれるFiiOが、2019年最初のDAP「M11」を6月21日から発売する。

「FiiO M11」(6月21日発売、予想実売価格¥55,500前後)

FiiOのDAPラインナップは、これまで展開してきた “Xシリーズ” から、スマホライクなタッチ操作やストリーミングサービス対応など現在のトレンドを積極的に取り込んだ “Mシリーズ” に移行しつつあるが、M11は本シリーズのハイスペックモデル第1弾という位置づけだ。

記者は、FiiOの初代ハイレゾDAP「X3」が国内に登場したちょうどその頃、ポータブルオーディオの道にのめり込み始めた。特に機種ごとの個性も豊かなイヤホンの面白さに取りつかれ、気づけば手元に100本近くのイヤホンが集まってしまったのだが、このイヤホンの相方としてFiiOのDAPのこともずっと追いかけてきた。

高水準の音質を備えたアンプ、幅広い利用シーンに対応できる機能性をポケットに収まるサイズのボディにギュッと詰め込み、それでいて手頃感のある価格。こうした特徴をFiiOの歴代DAPは兼ね備えており、今ではすっかり“FiiOらしさ”として確立しているように感じる。そして最新モデルのM11も、実に“FiiOらしさ”にあふれるDAPに仕上がっているのだ。

充分以上に与えられた基本性能は“スマホ並み”

M11に搭載されたマルチタッチディスプレイ、カスタマイズしたAndroid OS、サムスンのSoC「Exynos」といったハードウェア/ソフトウェアの組み合わせは、これまでのMシリーズ、「M9」「M7」「M6」から多くを引き継いでいる。しかし、その性能は大幅に強化されたものだ。

デザインもこれまでの“Mシリーズ” に近い印象だが、全体的に質感を増している。例えば、側面のボリュームホイールは回転に若干重みがつけられている

ディスプレイは5.15インチ(解像度1,440×720)に大型化。SoCも「M9」が1GHz駆動・2コアの「Exynos 7270」を搭載していたのに対して、本機は2.0GHz+1.6GHz駆動の6コアCPU「Exynos 7872」を搭載。メインメモリーも従来モデルの3倍近い3GBまでアップグレードされている。

要するに、音楽再生専用機にも関わらず、スマートフォン並と言ってもよいスペックがあるということ。この恩恵は本体の起動速度や再生アプリ切り替えのスムーズさなど、操作の端々で実感できる。ためしに電源オンからロック画面が表示されるまでの時間を数回はかってみたところ、平均して18秒前後。これなら、バッテリー節約のためこまめな電源オン/オフを徹底するユーザーもストレスを感じることはないはずだ。

あくまで目安だが、起動からロック画面まで約18秒。再生アプリの起動などにもスペック不足は感じられない

いっぽう、待機時の省電力機能 “ディープスリープ” も引き続き搭載しているので、使わない間に電源を入れっぱなしでもそれほどバッテリーを消耗しない。音楽を聴くのが1日1〜2時間程度なら、充電は3日に1回ほどで済む。

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