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発売迫る新たなフラグシップモデル

Lotooの新旗艦DAP「PAW Gold Touch」最速レビュー。わずか2秒の高速起動と色付けのないサウンド基調

公開日 2018/10/10 15:00 岩井 喬
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■プロ機器のルーツを感じさせるリアルテイストなサウンド

今回のいち早いサウンド面のチェックにおいてはまずイヤホン環境で実施。用いたのはJVC「HA-FD01」である。リケーブルにてアンバランス/バランス駆動、両方の能力を確認してみた。

一般的なアンバランス接続においては制動力が高く、すっきりと切れ味良い爽やかなサウンド傾向で、S/Nも非常に良い印象だ。オーケストラはローエンドまで階調細やかで見通し良く、管弦楽器の旋律は自然なウェット感を伴った、キレ良く粒の細やかなタッチで描かれる。低い弦の響きも弾力良くまとめ、スムーズなハーモニーが展開。アコギの質感においても弦の艶をていねいに描き、胴鳴りの響きも密度良く押し出してくる。

試聴中の岩井氏。写真のABYSS「DIANA」をはじめとしたヘッドフォンの組み合わせは次回のレポートで掲載予定

ピアノのアタックはクリアでハーモニクスの響きはグラデーション細やかに拡散。S/Nの良い澄んだサウンドで、分離良く定位する。ロック音源のリズム隊は引き締まり良く、アタックの鮮やかさが際立つ。エレキのリフも軽快で、ヴォーカルの質感もハリ良く爽やかだ。

11.2MHz音源においては一際彫りの深い音像表現となり、個々のパートの定位もフォーカス鋭く迫ってくる。ヴォーカルはボトムを引き締め、口元の輪郭をクールに描き出す。全体的に硬質なタッチで、リヴァーブの余韻もスッとしみ込むように収束してゆく。

バランス駆動ではさらに駆動力に余裕があり、切れ味や音ヌケの良さが一際高まっている。音場のS/Nも向上しており、音像の引き締めの効果も高く、付帯感のないサウンドが展開。ヴォーカルの定位もより鋭く、クールな描写となる。リズム隊のアタックもスピーディーで、余韻も素早く収束。オーケストラの旋律は非常にきめが細かく、低域をタイトにまとめて透明度の高い澄んだハーモニーを聴かせてくれる。

今回の試聴ではいずれの接続においても色付け感の少ない、ニュートラルなサウンド基調であり、出自であるプロ機器にも通じるモニター調のリアルテイストな傾向を実感した。サウンド面ではなによりヘッドホン出力の高さがポイントであり、外付けアンプがなくともヘッドホンを駆動できるほどのパワフルさが持ち味だ。

イヤホンでの安定感ある表現も魅力的であったが、駆動しにくい平面駆動型を含め、「PAW Gold TOUCH」がどのように表現してくれるのか。近々さまざまなヘッドホンを組み合わせて、PAW Gold TOUCHの表現力をレポートしたい。


■試聴音源
・飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013『プロコフィエフ:古典交響曲』より「第一楽章」(96kHz/24bit)
・デイヴ・メニケッティ『メニケッティ』より「メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ」(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・長谷川友二『音展2009・ライブレコーディング』より「トラック:レディ・マドンナ」(筆者自身による2.8MHz・DSD録音)
・『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』より「届かない恋」(2.8MHz・DSD)
・Suara「キミガタメ」11.2MHzレコーディング音源

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