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【特別企画】ヘッドホンアンプも検証

プロ機譲りの高忠実サウンドが10万円台前半から − MYTEKのUSB-DAC 3機種の音質をチェック

公開日 2018/06/12 08:00 山之内 正
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あえて違いを探せばトゥッティの量感や空間スケールに差があるのはたしかだが、その違いを聴き取れるのは大型のハイエンドシステムぐらいだろう。Manhattan DAC IIとの価格差はそれなりに大きいが、音の違いはそれほど極端なものではなく、クオリティにこだわる聴き手にも本機は躊躇なくお薦めできる。

高精細で視認性の高いフロントディスプレイを備える

アルネ・ドムネラス『ハイ・ライフ』(FLAC 192kHz/24bit)ではライヴ演奏の高揚感を生々しく伝えつつ、旋律とリズムの関係を立体感豊かに描写した。リズム楽器の粒立ちの良さに感心していると、その手前に実在感の強いサックスの音像が揺るぎなく定位し、アンサンブルを牽引する。ライヴで体験するその感覚をそのままリスニングルームでも味わえるのは、優れたアナログ録音をマスターとするハイレゾ音源の醍醐味と言っていいだろう。

Brooklyn DAC+はそれぞれの音源の特徴を引き出す能力が非常に高いD/Aコンバーターである。それはMQA音源を聴いた場合にも当てはまり、ローリング・ストーンズ『スティッキー・フィンガーズ』のMQA-CDはどの曲を聴いてもギターの抜けの良さやドラムの立ち上がりの速さに現れ、CDとの差を容易に聴き取ることができた。

Brooklyn DAC+の背面端子。標準でフォノ入力も備える

ちなみに本機とManhattan DAC IIは、MQAデコードのオン/オフをメニュー経由で切り替えられるので、MQA-CDに収録されているCD音源とハイレゾ音源(MQAデコードあり)を簡単に聴き比べることができる。さらにBrooklyn DAC+については、MQAデコード時はディスプレイにMQAのロゴマークが点灯し、「352.8kHz/24bit」など詳細情報も表示されるなど、3機種のなかでは本機のディスプレイの視認性の良さが際立っている。

ヘッドホンアンプの性能はManhattan DAC IIに匹敵する

ヘッドホンアンプの性能は最上位機種とほぼ同等で、立体感やスピード感の再現力は一部の単体ヘッドホンアンプに肉薄するレベルを確保している。

ニュートラルな音調と高度な音楽表現を兼ね備えた「Manhattan DAC II」

フラグシップとなるManhattan DAC IIは、フルサイズながら薄型の筐体が洗練された印象を与える。ガッティ指揮ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団のマーラー交響曲第2番『復活』(DSD 5.6MHz)を本機で聴くと、骨格が安定した重量級のバランスでオーケストラが展開し、トゥッティの鳴りっぷりの良さは圧巻。弦楽器と金管楽器が拮抗する音数の多いフレーズでも響きが飽和することがなく、打楽器や金管楽器が刻むリズムが克明に浮かび上がってくる。

同社のフラグシップDAC「Manhattan DAC II」

出自がプロ機器だけに色付けや誇張とは無縁のニュートラルな音調をキープしているのだが、旋律のアクセントやリズムの核心となる要素を緩みなく忠実に再現することで緊張感を引き出しているという印象を受けた。

テンションの高さという点ではスティーリー・ダン『バビロンシスターズ』(FLAC 96kHz/24bit)のサウンドも耳を傾けるべきポイントがたくさんある。まずは楽器同士の分離が良く、それぞれの音像の間のにじみが非常に少ないことに注目したい。

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