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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第192回】ソフトフォームを500円で試せる!多摩電子&アクラスのイヤピをチェック

公開日 2017/06/23 10:00 高橋 敦
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続いて互換性、どんなイヤホンに装着できるかも重要だ。具体的にはノズルとかステムとか言われるイヤホン側の受け部と、イヤーピース側の軸の径と形の相性ということになる。今回ピックアップした多摩電子とアクラスのイヤピはどちらも、取り付け可能の「目安」として、『イヤホン側のノズルの外径が約5.5mm〜6.5mmの範囲』『取り付け部の形状によっては外れやすい場合がある』とされている。ただ、「保証」ではなくあくまでも「目安」であることにご留意を。

多摩電子のパケ裏の説明

アクラスのパケ裏の説明

それぞれのサイズおよび外径の最大部と高さについては、パッケージに記載の数値と、アクラスは高さの記載がないので実測値で補足したものを表にまとめてみた。


直径で言うと「多摩S<アクS<多摩M<多摩L<アクM<アクL」という順。だが、その多摩LとアクMでも高さは異なり、多摩Lの方が細長く少し耳の奥まで入る形で、アクMはそれよりやや浅め。形も多摩の方が先細りな印象だ。

アクM(黒)と手前の多摩Lが近いサイズ。開口部形状の違いもポイントかも

また、大枠としては同じ「ソフトフォーム」であるが、素材と構造にも違いがある。多摩はイヤーピース全体がやや硬めの低反発ウレタンの一体成型。ノズルにはめる軸の部分もソフトフォームだ。アクラスは、柔らかな低反発ポリウレタンのイヤーピース本体にシリコンと思われる軸を合わせたタイプ。フォームタイプとしてより一般的な素材と構造なのはこちら。

表面仕上げも異なる。多摩はツルテカ。アクラスは発泡感強め

軸の構造と素材の違いにも注目

確認の最後に、取り付け例としてはこんな感じ。

MUIX IX1000のノズル外径は6.1mm程度。ただしノズルが少し短め

多摩もアクラスもはまったが、ノズル短めなので固定に少し不安はある……


いざ実証!使ってみた印象は…クオリティー高い!

さて、ここからは実際に使ってみた印象。まず多摩電子のイヤーピースは、Lサイズでも僕の耳には少し緩く、装着感も当然緩め。というハンデに加えて、軸もソフトフォーム素材で全体の高さもあり、音がソフトフォームを通る経路が長めなこともあってか、音は少しぼやける印象。

だが高域が鋭すぎるようなイヤホンと合わせた際には、その鋭さをうまく抑えてくれる場合もある。ソフトフォームらしさをサウンドチューニングにも積極的に生かしたい、そういう狙いで使うのもありだろう。

また今回の企画のそもそもの意図である「初めてのお試しソフトフォームイヤーピース」という観点からも、その点は有用かもしれない。高域がソフトになりがちという「ソフトフォームらしさ」が特に強いこのイヤーピースは、ソフトフォームの傾向を大まかに知るのにも適していると言えそうだ。

アクラスのイヤーピースは、……おいこれ普通に十分なクオリティだぞ!という印象。素材がソフトフォームの中でも特にソフトな感触のものなので、耳当たりが優しく装着感良好。遮音性も納得のレベル。

シリコンイヤーピースと比べての音の変化も、軸はシリコンで高さは低めで開口部は大きめといったこともあってか、多摩電子より少ない。なので、そのイヤホンの音がおおよそ気に入っていて、それはあまり変化させずに装着感と遮音性を向上させたいという方に合いそうだ。ただし使い続けるとなると、各サイズでのバラ売りが用意されていないっぽいのが残念。



どちらの製品も耐久性は実際に使い続けてみないと判断できないが、他の要素は「ソフトフォームイヤーピースのお試しとしては十分。満足してそのまま使い続けたくなるユーザーもいるかも?」というクオリティ。ソフトフォームに興味はあるけど試したことはないユーザーの方は、まずこのあたりで感触を掴んでみてはどうだろうか。

高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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