セパレート機の技術をワンボディに凝縮

プリメインの次元を超えたサウンド ー エソテリック「F-03A/F-05」を聴く

石原 俊

前のページ 1 2 次のページ

2017年01月31日
エソテリックのプリメインアンプがIシリーズからモデルチェンジし、セパレートの思想と技術を投入したFシリーズが誕生した。音楽再生へのこだわりを一つの筐体に凝縮し、高い品位と多彩な機能を両立させた注目機「F-03A」と「F-05」をじっくりと試聴してレビューする。

アナログ増幅回路を採用し、A級とAB級の2機種が登場

エソテリックのプリメインアンプが「Iシリーズ」から「Fシリーズ」に移行した。IシリーズがPWM方式だったのに対して、Fシリーズでは伝統的なアナログ増幅方式が採られており、セパレートモデルで培った技術がふんだんに投入されている。

A級動作機の「F-03A」950,000円(税抜)

AB級動作機の「F-05」700,000円(税抜)

今回リリースされたのはA級動作機の「F-03A」とAB級動作機の「F-05」で、前者の最大出力は30W×2(8Ω)/60W×2(4Ω)、後者は120W×2(8Ω)/240W×2(4Ω)。両者はパワーアンプ部の動作や外装設計こそ異なるが、プリアンプ部は共通の設計になっている。

筐体の剛性は前シリーズよりもさらに高まっている。質量は32sで、同程度の出力のモデルの1.5倍以上も重い。入出力は豊富で、オプションのUSB入力(DSD 11.2M㎐まで対応)付きのDAコンバーターボードをスロットインさせることが可能。スピーカー端子は2系統でリアパネルの両端にマウントされており、シンメトリーな回路レイアウトの証拠だ。

ノブ類の操作感は非常に良好で、特にアルミ削り出しのボリュームノブの感触は快感ですらある。このノブのメカニズムはエソテリックのお家芸であるVRDSの軸受けを応用したもので、同社の最上級シリーズ“Grandioso”と同じものだ。

独自のESOTERIC-QVCSボリュームコントロール方式を採用。ボリューム/セレクターは、Grandiosoと同じ高精度ベアリング機構を採用する

トーンコントロールも装備され、プリアンプ部にフォノEQを搭載

筐体の中央には巨大な電源回路が鎮座する。電源トランスはEIコアタイプで、容量は940VA。ブロックコンデンサーは10,000μFのものが各チャンネル4本ずつ使用されている。


配線は極太ケーブルをボルトで接続し、低インピーダンス化を徹底
リアパネルの直近にマウントされているプリアンプ部は非常に凝ったものだ。回路はフルバランス/デュアルモノで、3バンドのトーンコントロール回路を擁している。この回路もフルバランス/デュアルモノなので、各バンドにつき4回路(正・負、L/R)ずつ、合計12回路によって構成。音量調整とトーンコントロールは電子式で、通常の可変抵抗器は使用されていない。


音質劣化を気にせず調整が可能。F-03Aはシーリングパネルで覆うタイプ
興味深いことに、このプリアンプ部にはフォノイコライザー回路が搭載されている。これはMM/MC対応の本格的なもので、専用電源を持ち、左右の回路も独立したデュアルモノ構成だ。昨今は単体フォノイコライザーが主流になってはいるが、プリアンプに内蔵させるほうが実際に使う上では有利だと思う。

左右のサイドパネル側にはパワーアンプ部がマウントされている。回路はGrandioso直系の三段ダーリントン式の3パラレルプッシュプルで、終段の素子は大型のバイポーラトランジスターだ。ドライバー段と終段の間にはエソテリック独自の低インピーダンス回路が入っている。


2モデルの音質レポート

前のページ 1 2 次のページ