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高音質パーツを多数搭載

さらに成熟したハイファイサウンド。オンキヨーの第2世代DAP「DP-X1A」を聴く

2016/10/11 折原一也
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オンキヨー&パイオニアイノベーションズのハイレゾ対応DAPの第2世代モデルのうち、オンキヨーブランドから発売されるモデルが「DP-X1A」だ。

ONKYO「DP-X1A」。2016年10月下旬発売予定。¥OPEN(予想実売価格79,800円前後)

第1世代モデルのDP-X1は昨年11月の発売以来、バランス出力端子を備えた国内メーカーのポータブルDAPとして人気を集めた。今回のDP-X1Aは、1年分のユーザーの声をもとに、様々な機能拡張を盛り込んだモデルとなっている。

オンキヨーの第1世代機「DP-X1」との違いは、まず基本スペックとして内蔵メモリを32GBから64GBへと拡大。microSDスロットも引き続きデュアルmicroSDスロットを搭載することで、合計最大400GBまでの超大容量への拡張も可能としている。

左側面にはボリュームダイヤルを装備

右側面には2つのmicroSDカードスロットやハードウェアボタンが並ぶ

ソフトウェアはAndroid 5.1で、1,280×720ドットの4.7型液晶を搭載した仕様は従来通り。なお、ソフトウェアは画面デザイン等を除きパイオニアブランドで同時に発表・発売されるXDP-300Rと共通している。

音質の基本設計はESS社製のハイエンドDACのES9018K2Mを2基搭載。DSD 11.2MHz、PCMは384kHz/24bitまでの再生に対応する、ヘッドホンアンプにもESS社のSABRE 9601Kを2基搭載し、バランス出力に対応するフルバランス回路設計を継承している。

ESSのDAC「ES9018K2M」を2基搭載している

DP-X1Aのみの要素として採用されているのが高音質パーツを採用した音質強化版としての特別な設計だ。第1世代からの継承も含めてDP-X1の内部の基本構成はオーディオとしての単品コンポーネントと同じく、デジタルノイズの影響を排除するため、内部でDAC&AMP部とCPU部を物理的に隔離した構造とした。

「Twin Dac」の文字が刻み込まれている

DAC&部とCPU部をセパレートにしている内部構造

電源ブロックには「クローズド ループ・コンストラクション」電源回路設計が採用し、デバイス各々の機能ブロックに応答性に優れたローカル電源を配置。回路電源をクローズドループ化することで音楽信号への干渉を抑制し、GND電位変動を極限まで押さえ込むという、ミクロン単位の範囲パターンチューニングが施されている。

特にDP-X1の発売以降にDAPとしての各機能ブロック動作時のノイズを徹底的に測定した成果として回路パターンを再度最適化した上で、音質を吟味して採用されたオーディオグレードの日本ケミコン製「導電性高分子 大容量コンデンサー『MELODIO』シリーズ」のカスタム品を搭載し、従来比3倍の大容量で電源を安定化させた。

他にも低ESR、ESLの搭載で瞬時の動作による揺らぎやノイズ低減で電源供給力を向上させる。他にもノイズ吸収に優れた特殊なリード線を採用し、電子機器のデジタル化、高周波化に対応する。

アンバランス・バランスの出力段にはオーディオで定評のある高安定性”Vishay”社製の薄膜抵抗を専用に採用。音声信号の伝達がよるスムーズな低インピーダンス回路基板を、回路パターン幅の最適化を徹底することで実現している。

もともと2.5mmのバランス出力に対応していたDP-X1をベースとしており、基板回路の最適化による高音質化を徹底的に施したのがオンキヨーのDP-X1Aというわけだ。

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