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アトモス/DTS:X対応の第二世代モデル

【レビュー】デノン「AVR-X2300W」を聴く。クラスを超えた実力のハイコスパAVアンプ

公開日 2016/09/12 12:41 岩井 喬
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クラシック音源である飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013『プロコフィエフ:古典交響曲』〜第一楽章(96kHz/24bit)は、管弦楽器の太くどっしりした響きを聴かせ、分離の良さ、解像感の高さも際立つ。音場は見通し良くハーモニーは華やかだ。低域については弾力感高く、心地よい感触である。音像定位もフォーカス良く、木管の伸びも締まり良く芯くっきりと表現。微細な音のトレース力も高く、余韻も丁寧に描いてくれる。リアルで奥行きのある空間性はハイレゾならではの表現力の高さを実感できた。

空間性高くリアルに再現する

続いて、ジャズ音源のオスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)では、ピアノのクリアで伸びやかなハーモニクスが爽やかに響く。ハリ良い弦のたわみを見せるウッドベースは太くどっしりとしており、高密度で胴鳴りをむっちりと滑らかに聴かせる。立体的な音像感で、スネアブラシもハリ良く爽やかな浮き立ちだ。

ロック音源のデイヴ・メニケッティ『メニケッティ』〜メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)では、エレキギターのディストーションは小気味よい刻みを見せ、高域方向の粘りも的確に描き出す。リズム隊も締まり良くシャープなエッジ感を強調し、ボーカルはハスキーな輪郭を強めに描き硬質なテイストを前に出している。

シカゴ『17』〜ワンス・イン・ア・ライフタイム(192kHz/24bit)は、シンセの余韻を自然に伸び良く表現する。リヴァーブの響きも良く見え、ホーンセクションやクリーンギターはシャープに際立ち、ボーカルはくっきりとしたエッジを持って浮き上がる。

5.6MHz音源としてSuara「キミガタメ」(11.2MHzレコーディング音源を5.6MHzに変換)を聴くと、ボーカルはかっちりと輪郭を引き締めてボトムもスマートに表現。口元の動きもクールでキリッとしたテイストで描かれる。ピアノは涼やかな余韻が細やかで表現力が高い。ハーモニクスの倍音は透明感が高く美しい。余韻の清涼な硬質でクリアなサウンドだ。

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