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今までの再生ソフトと何がちがう? 何ができる?

Q&A形式で解説!今注目の音楽再生ソフト「Roon」にまつわる“16のギモン”

2016/08/31 佐々木 喜洋
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今注目を集めている総合音楽再生ソフトウェア「Roon」だが、機能性・拡張性が豊富なだけに、その全貌を捉えるのはなかなか難しい。今回はこのRoonについて、佐々木喜洋氏がQ&A形式で解説。皆さんの疑問にお答えしていく。

Q1、そもそもRoonってなに?

RoonはイギリスのRoon Labs社が開発した音楽再生ソフトウェアです。そうした意味ではiTunesやAudirvanaと同様ですが、後で回答するような多くの長所を持つため、オーディオリスナーの間で人気を集めてきています。

Roonの「アルバム一覧」の画面。音楽再生ソフトと変わらないようにも見えるが、ユーザーへの音楽体験の提供を目的とした様々な新しい取り組みが行われている


個別の「アーティスト」の画面には大きなイメージビジュアルが使われていて(全てのアーティストではない)、関連アルバムからライブ情報まで、様々なリンクが設定されている

海外では昨年より注目されていましたが、日本でもRoon対応機器の発売などで話題となりつつあります。また最近Version1.2という大きな進化をはたしたことにより、機能面でも一層充実することになりました。

詳細なソフト構成については、筆者によるこちらの記事(「話題の音楽再生ソフト「Roon」は音も良い? RoonReady機器でネットワーク再生を検証」)ですでに紹介していますので、ご覧いただければと思います。

Roonは立ち上げたUSBストレージやNASの音源、さらにはストリーミング音源までを同じライブラリで横断的に扱える。また、これら全ての楽曲に対してRoonのメタデータを付加できる

Roonはライブラリ管理や音楽再生を行う「Core」、操作を行う「Control」、音楽信号の出力を行う「Output」の3要素に大別できる詳細は上記リンクを参照


Q2、Roonってどう読むの?

Roonは、「ルーン文字」と同じ発音で「ルーン」と発音してかまわないそうです。ただしスペルは異なっていてルーン文字の方はRuneとなります。


Q3、Roonはいくらするの? どこでどうやって買えるの?

Roonの価格はライセンス制で、1年単位の年間使用ライセンスと、一回課金だけの終生ライセンスがあります。価格は年間使用ライセンスが$119/年です。一回課金だけの終生ライセンスは$499となります。

Roonの販売ページ。現時点では英語のページしか用意されていない。また、2週間の無料デモを試用する場合でもクレジットカードが必要だ

Roonは現在は日本代理店がないので、海外のホームページから購入します。VISA、Masterなど海外で通用するクレジットカードが必要です。公式サイトの販売ページを開けてみてください(説明は英語となります)。

また2週間の無料デモができます。ただしこの際にもクレジットカードの登録が必要です。2週間を超えて使い続ける場合には課金されますので、デモだけの時は上記サイトのRoonアカウントページの「Membership」タブからキャンセルをしてください。


Q4、Roonは何が優れているの? これまでの再生ソフトと何が違うの?

Roonが人気を博しているのにはやはり理由があります。端的に言うと、「操作性」「柔軟性」「堅牢性」「機能性」が優れているということです。

「操作性」でいえば使用しやすいアルバム選択画面やタブレットとの統一された操作感、散在しない単一のライブラリ管理などがあります。「柔軟性」ではUSB-DACやネットワーク機器など使用可能な多彩なオーディオ機器、および多様なシステム構築が可能であることです。

RoonのiPadアプリの画面。表示項目や操作性、設定可能な項目などはほぼPC/MacのRoonと同じとなっている

「堅牢性」とはシステムを組みかえても落ちにくいことなどがあげられます。「機能性」で言うと出力機器ごとにキューを持って別々に音源再生できることや、豊富な楽曲情報の提供があります。「Q11、Roonの使いやすさは?」もあわせて参照してください。

また従来ではUSB-DACを使うものが「PCオーディオ」で、DLNAなどネットワークプレーヤーを使うものが「ネットワークオーディオ」というように無言の切り分けがありましたが、それらを統合できる“キー”がRoonであると言ってもよいかもしれません。

Roonシステム例(1)。パソコンで立ち上げたRoonにCoreとOutputを担当させ、接続したUSB-DACから出力する。いわゆるPCオーディオに近いかたちだ

Roonシステム例(2)。1台のパソコンがRoonの「Core」を担当し、ネットワーク経由で接続されたもう1台のパソコンがOutputを担当。出力はUSB-DACから行う


Roonシステム(例3)。Roonで再生した楽曲を、RoonReady対応機器(上表ではexaSound「PlayPoint」)からネットワーク経由で出力する。上記3例が示すとおり、Roonでは、いわゆるPCオーディオ/ネットワークオーディオを統合したかたちで運用できる

音質に関しての配慮ももちろんなされています。開発者はRoonのことを「ハイエンドオーディオのAirPlay」とも称していますが、AirPlayのような使いやすさと、ハイエンドオーディオの再生品質を両立させたものともいえるでしょう。こうしたトータルでの完成度の高さがRoonの魅力であると言えます。

Q5、RoonとAudirvanaはどう違う?

Audirvanaは、Macにおける代表的な再生ソフトです。現在では最新版「Audirvaba Plus」となり、多くのユーザーが音楽ファイル再生に用いています。

RoonとAudirvanaは音楽再生ソフトウェアという点では同じです。しかし、Audirvanaが作者自ら「ソフトウェアでどれだけ音質を向上できるか」と述べているように、Macでの音楽再生における音質向上を志向したソフトウェアと言えます。

Audirvana Plusは、高音質再生に特化した音楽再生ソフトとしてスタートしつつ、専用アプリによる端末からの操作やストリーミング対応など、着実にその機能を強化する。しかし、あくまで「Mac用の音楽再生ソフト」の範疇と言えるだろう

対してRoonでは、作者自らがRoonを「ハイエンドオーディオのAirPlay」と呼ぶように、使いやすさとオーディオ性能を両立するところにフォーカスをおいていると言えます。

機能的にはRoonはAurdirvanaよりもライブラリ管理やメタデータ管理など楽曲管理能力が高く、より高度なネットワークシステムへの発展が可能です。

またRoonは後に述べるようにパソコンを使わないでオーディオ機器に内蔵することも可能です。

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