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A20がA10からどう進化したかも詳説

<IFA>レビュー:ウォークマン「NW-ZX100」の音質を「ZX2」「ZX1」と比較

公開日 2015/09/03 16:15 折原一也
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ウォークマンAシリーズ2015年モデルの音質も速攻チェック

IFA 2015のでは、ウォークマンのエントリーとしてNW-A20シリーズも発表され、ブースでも展示が行われている。

カラバリも含めたファッショブルな展示をしていたNW-A20シリーズ

こちらも会場で音質をチェック

NW-A10の後継機としてS-Master HXによるフルデジタルアンプを搭載。基本路線は同じだが、A10に比べて高音質化が図られ、基板で利用するはんだには、ハイエンドオーディオ用にソニーが開発したオーディオグレードのものを使用。プリント基板にFilled VIAを採用している。もっとも基板レイアウトや主要パーツに変更はなく、NW-ZX100世代で採用された部品や技術を採用し、音質を磨き上げたモデルという位置づけだ。

さて、NW-A20の注目点は、本体性能もさることながら、NW-A20の主要モデルに新たに標準で付属した「ハイレゾノイズキャンセルヘッドフォン」も含めた、トータルの音質の出来栄えだろう。

IFA会場で、サンプルとして用意された楽曲で音質インプレッションを試みると、やはり粒立ちがよくダイナミックなNW-A10のサウンドを継承している。

試しに音楽再生を停止した状態でノイズキャンセル性能を試すと、中低域の騒音はピタリと消える。その上でノイズキャンセルを有効にすると、静寂の上にハリのある心地よいベースグルーブ感が現れ、ボーカルがダイナミックに立ち上がる。精細感も失われず、ボーカルの粒立ちも感じられる。NW-A10のサウンドをより突き詰めたサウンドと言える。

ノイズキャンセル効果は会場内のノイズだけでなく人工的な騒音でも効果絶大だった

音の広がりは、付属ハイレゾ対応イヤホンの9mm 40kHzドライバーの効果が発揮され、相当にスケール感が大きい。シンバルの金属音の刻みもしなやかで、広大な空間表現や「ハイレゾ感」のグレードも増している。もちろん、絶対的な音質では、上位のNW-ZX100のような情報量までは得られないが、ウォークマンらしいダイナミックなサウンドとハイレゾらしい高域再現性能が、付属イヤホンで楽しめるのは嬉しい。

ソニーはIFA2015において、ヘッドフォン/イヤホンの「h.ear」シリーズもリリースした。カラバリなどもほぼ共通しており、NW-A20もh.earシリーズのデザイン戦略に組み込まれた格好。「おしゃれさを重視した路線になった悪影響はないか」と心配していたが、いざ実機のサウンドを確認してみると、ハイレゾノイズキャンセリングイヤホンが付属していることもあり、ハイレゾ入門者として万全の製品パッケージであることを実感できた。



高音質モデルのNW-ZX100は予想外にも、NW-ZX2ではなくNW-ZX1を継承したサウンドとなり、NW-ZX1ファンにも響くことだろう。ウォークマンシリーズだけでこれだけ音のバリエーションが増えると、選ぶ側としても、好みの音を選ぶ楽しみが広がる。盤石のアップデートを遂げたと言えそうだ。

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