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白河のマランツ拠点を前後編でレポート

純国産だから可能なモノづくり。マランツ「AV8802A」製造工場に行く【レポート後編】

公開日 2015/07/31 11:48 山之内 正
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マシンと手作業のコンビネーションで基板が完成

マシンを使って部品の装着や半田付けが行われた各種基板は、次の「PCB」と呼ばれる工程へと送られる。ここでは、マシンでは行うことができない部品の装着や半田付けを、スタッフが手作業で行っていく。

ちなみにこの工程において、メインのオーディオ/ビデオ基板を例に取ると、追加される部品は60点に及ぶとのこと。従来ではこれら部品を15人に及ぶスタッフが流れ作業で装着していたのだが、部品によって形状や装着方法もまちまちなので、けっして効率的とは言えなかった。そこで現在では、1人のスタッフが60点全てのパーツを手作業で組み込んでいる。当然、60点もの部品の装着箇所を個人が記憶して装着していくのは困難なのだが、独自のガイドシステムがそれを可能にしているのだという。

「PCB」工程を行うスペースの様子。スタッフが移動しなくて済むように、各所に基板の受け治具を運んでいく自動運行カートの動きがなんだか愛らしい


60点ものパーツを手作業で装着していく。ここには独自のノウハウが用いられているという


半田槽に溶かしたはんだの表層にプリント基板の下面を浸すことによって、半田付けを行う工程。この直前では基板にフラックスが施される


出来上がった基板を確認する山之内氏


この工程を経て完成した基板は、全て目視でチェックが行われ、さらに細部に手作業が加えられる


各基板には電気的なテストも行われる


PCB工程で完成した基板。基板によっては同一のパーツが並ぶ1枚の大きな板として製造され、この後の工程で板チョコのように分割して、実際に製品に組み込んでいく

さらに完成した基板の全数が、部品の装着や半田付けが正確に行われているかが人間の目で入念にチェックされる。その上で、細部の修正など仕上げが行われる。その後、基板が正常に作動するか実際に通電して電気的なテストも行われる。

次ページ熟練のスタッフが1台1台組み立てを行っていく

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