HOME > レビュー > マランツ「HD-DAC1」レビュー(前編):USB-DACとしての実力を山之内 正が聴く

ハイレゾ音源からCDリッピングまでの音質を検証

マランツ「HD-DAC1」レビュー(前編):USB-DACとしての実力を山之内 正が聴く

公開日 2014/10/10 10:07 山之内正
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ハイエンドヘッドホンの潜在能力を自在に引き出す駆動力

最後にゼンハイザーのHD800を組み合わせてヘッドホンアンプとしての実力を確認した。基本的にUSB-DACの音と共通点が多く、情報量のゆとりと鮮度の高さは期待を裏切らない。そして、特筆すべきはハイエンドヘッドホンのポテンシャルを自在に引き出す駆動力のゆとりだろう。パワー全開のオーケストラから瞬時に大エネルギーを引き出しつつ、細部の描写が疎かになることがない。無帰還方式ならではの精度の高い空間再現にも特筆すべきものがある。

ゼンハイザー「HD800」を組み合わせてヘッドホンアンプとしての音質もチェックした

マランツはカバーする範囲が非常に広いオーディオ専業ブランドだが、今回、USB-DAC内蔵ヘッドホンアンプというカテゴリーに製品を投入したのは初めてのことだという。

無帰還出力バッファーという大胆なアプローチは、ヘッドホンアンプだからこそ実現できた面が大きい。だが、マランツがこれまで培ってきたアンプ技術の積み重ねがあるからこそ、HD-DAC1に導入することができたという事実にも注目する必要がある。第一号機でここまでの完成度を実現できた背景には、長年にわたるアンプの研究開発で得た成果が盛り込まれているのだ。

前へ 1 2 3

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE