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各ヘッドホンとの相性からUSB-DACの音質までチェック

【レビュー】野村ケンジがデノン初のポタアン「DA-10」の音質最終版を徹底試聴

公開日 2014/09/19 10:00 野村ケンジ
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デノン初のポータブルヘッドホンアンプ/USB-DACとなる「DA-10」(デノン特設サイト)の発売日が10月10日発売に正式決定した。本記事ではこのDA-10を、発表会でナビゲーターも務めた野村ケンジ氏が徹底検証。USB-DACのクオリティからヘッドホンアンプの駆動力まで、最終音質をチェックする。なお、このDA-10を野村ケンジ氏自身が開設する試聴イベントが9月26日夜に秋葉原で開催されるの、興味がある方はぜひこちらにも参加して欲しい。(イベントの詳細

デノン「DA-10」¥OPEN(予想実売価格45,000円前後)

■ついに発売日が決定した待望のポータブルヘッドホンアンプ

デノン初の“ポタアン”(ポータブルヘッドホンアンプ)「DA-10」(製品詳細はこちら)は、同社独自のアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing」の搭載や、スーパーオーバル型のアルミボディ(一般的には押し出し材の前後をパネルで挟み込んだ形が多い)の採用など、音質面でもデザインでも、既存ポタアンとは一線を画す個性派モデルだ。当然のごとくUSB-DACも搭載され、iPodデジタル接続に加えて、192kHz/24bitのPCMや5.6MHzのDSDファイルにも対応。自宅では、据え置きタイプのUSB-DACとしても活用できるようになっている。

DA-10を自宅試聴室で徹底的に使いこなした

そんな万能ポタアンである「DA-10」の、プロダクトバージョンが完成したという。実のところ、これまで何度か試聴させてもらう機会はあったのだが、いずれも完成前サンプルだったため、音質的な最終判断は保留していた。そして、発表から待つこと2ヶ月あまり、発売日を目前にして、プロダクトモデルの試聴サンプル機が手元に届いたのだ。これはもう、じっくり聴かせていただくほかない。ということで「言い訳なし」のガチンコの視聴レビューをお届けしよう。

■実力派のヘッドホン&イヤホンと組み合わせて音質をチェック

まずは、DA-10の最高の実力を発揮させるべく、ハイレゾ音源を中心に試聴。PCにMacBook Air、プレーヤーソフトにAudirvaba Plusをチョイス。こちらと「DA-10」をUSBケーブルで接続して、実力のほどを検証してみた。なお、ヘッドホンはSHURE「SRH1540」やPHILIPS「Fidelio X1」、AKG「K812」など、イヤホンはJH AUDIO「Roxanne」やWestone「ES50」など、高級ヘッドホンからカスタムIEMまで様々な製品を組み合わせてみた。

DA-10の試聴をスタートして、まず第一に感心したのはドライブ力の高さだ。たとえばSHURE「SRH1540」は決して鳴りにくいヘッドホンではないものの、駆動力が“そこそこ”のポタアンでは低域の押し出し感が弱く、かつフォーカス感の甘いサウンドになってしまうことがある。しかしながら、「DA-10」は上質な据え置き型ヘッドホンアンプのごとく、ダイナミックレンジ幅の十分確保した、躍動感溢れるサウンドを聴かせてくれるのだ。おかけでハードロックなどの楽曲は、ビートのキレがよい、パワフルな演奏が楽しませてくれる。「DA-10」と「SRH1540」、なかなかに相性の良い組み合わせといっていいだろう。

まずはPCと組み合わせてハイレゾ音源を再生。シュアのSHR1540は特に好相性だった

DA-10とフィリップス「X1」を組み合わせたところ。適宜、様々な入力との相性も試した

もうひとつ、特に相性が良いと感じたのはPHILIPS「X1」との組み合わせだ。「X1」ならではの、ソリッドで芯のある低域が際立ち、とてもグルーブ感が高い。解像感も良好で、チェロなどの弦楽器は、丁寧で伸びやかな演奏を披露してくれる。また、各ヘッドホンとの組み合わせを通じてわかったのは、DA-10のiOSデジタル入力のサウンドも、上限は48kHz/24bitながら、非常にタイトでレベルの高いサウンドだということだ。

次ページイヤホンとの相性や据え置きDACとしての性能も検証

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