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【特別企画】「あらゆる音を滑らかに届けてくれる」

高級ハイレゾプレーヤーに新星現る。コウォン「PLENUE 1」レビュー

2014/09/05 高橋敦
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ジャンルの活性化には参入するメーカーとユーザーの増加が必須だ。特に製品数については、一時期に製品がどっと増え、その時期を越えた後にはそのジャンルの底上げが図られるパターンが多い。選択肢や比較対象の増加はそのジャンルを活性化させ、それが新たな製品開発の活性化を促す。

ハイエンドハイレゾポータブルプレーヤーもその時期に達したのか。COWON(コウォン)の参入はそう感じさせてくれる出来事のひとつだ。その第一弾製品が「PLENUE 1」(直販12万8,000円)である。

COWON「PLENUE 1」(直販12万8,000円)

実際に聴いてみると、このモデルのクオリティは非常に高い。ハイエンドのハイレゾポータブルオーディオプレーヤーとしてはこれがデビュー製品だが、コウォンは「iAUDIO」ブランドを中心にポータブルプレーヤーを広く展開しており、実績のあるブランドだ。そのノウハウがしっかり活かされているのだ。

まずは概要から紹介していこう。基本機能はニュース記事開発者インタビューを参照していただきたいが、DACチップにはバーブラウン「PCM1792A」を採用し、PCMの192kHz/24bit、加えてDXD 352.8/384kHzとDSD 5.6MHzにも、それぞれダウンサンプリングとPCMコンバートではあるが、再生に対応している。

本機の外箱。高級感がある作りだ

箱を開けるとPLENUE 1が現れる

内蔵メモリーは128GB。microSDカードと合わせて最大256GBまでの拡張が可能と、ライバル機に劣らぬ十分な容量だ。連続再生時間も測定条件は不明だが約8.5時間と、こちらも十分。

本体底面のふたを開けるとmicroUSB端子とmicroSDカードスロットが現れる


革製のケースも付属する

革製ケースを装着したところ
S/N比など基本スペックを重視して開発

本機の開発姿勢を強く表していると思われるのは、S/N比=120dB、THD+N=0.0006%、ステレオクロストーク=-134dBといったスペックがウェブの製品情報で強く推されていることだ。それぞれ「信号対ノイズ比」「高調波歪み率」「チャンネル間干渉」のことだが、どれもオーディオ機器に求められる特性としては基本。厳密な測定を繰り返しつつそれらを高めることが、開発のひとつの大きな柱であったようだ。

もちろん「数値がよい=よい音」ではない。しかし本機の場合、後ほど述べるが、これらの数値の良好さがその音質に実際に貢献していると実感できる。

なお本機はそのように再生の純度を高めつつも、それをベースにした音質のカスタマイズ性も極度に高めてある。本機には、イコライザー、BBE+、コーラス、リバーブ等を複合してセッティングできる「JetEffect 7」サウンドコントロールシステムが搭載されているのだ。

「JetEffect 7」サウンドコントロールシステムを搭載

UIもこなれた作りだ

イコライザーとBBE+(スタジオやギター用で定評のある、高域遅延補正を含めた各種音質補正エフェクト)はよいとして、コーラスとリバーブは正直なところかなり異質だ。

次ページ驚くほど高速なレスポンス。UIも遊び心にあふれる

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