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ハイレゾへの対応度、得意なジャンル、使い勝手を語り尽くす

普段づかいに最適なイヤホン“Fidelio”「S1」の魅力を編集部員3名が語る

公開日 2014/06/16 11:56 ファイル・ウェブ編集部
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■セミオープンならではの「S1」のサウンドの魅力

小澤貴:肝心なサウンドはどうでしょう。「S1」はセミオープン型という他社製品では少ない特色があります。“開放型と密閉型の良いとこ取り”を狙っているとのことですが、ぼくとしては「開放感」の方により大きな魅力を感じました。

「S1」はセミオープン型を採用している

風間:やっぱりサウンドに圧迫感がないのがいいのはいいよね。なんといっても軽快で、音のヌケが素晴らしい。この価格帯でこのヌケの良さは貴重だよ。

小澤麻:私は普段クラシックをよく聞くんですが、不自然に低音を強調するイヤホンはクラシックには向かないと思っています。その点で「S1」は、低音は結構出ているんだけど、音の全体の傾向としてナチュラルなところがいいなあと。

風間:クラシックには向いているということかな。

小澤麻:向いていると思います。あと、「S1」でピアノの楽曲を聴いていて思ったのですが、アコースティックな楽器の音の質感表現がいいですよね。たとえばツィメルマンの弾くショパンのバラード第1番。彼のクリアでツヤのある音を楽しめました。

ピアノ:ツィマーマン『ショパン:4つのバラード、幻想曲、舟歌』

小澤貴:自分は基本的にロックとかクラブミュージックを聴きましたが、楽器の質感の良さはこれらのジャンルでも感じました。自分的には、“音色が良く再現される”というイメージですね。この点は「S2」ともやはり共通します。ギターやピアノなどのアコースティックな楽器の生々しさは自分も感じました。風間さんはいかがですか?

風間:この軽快さはまさに唯一無二で、同じ価格帯の密閉型モデルでは、そうそう感じられない。それから、音のまとまりの良さというのも魅力だと思う。再現性をしっかりと保ちながら、押しつけがましさがない音というのかな。ふだん使いではとても重要なポイントだよね。

小澤貴:解像感が高すぎて聴き疲れする、というのは往々にしてあることですよね。

風間:うん。ストレスを感じない音って、このくらいの価格帯だと逆に、なかなか難しいポイントかもしれない。自分は何かしながら音楽聴くというパターンが多くて。例えば、通勤時だったらニュースを読んだりとか、メールをチェックしたりとか。ビジネスマンでも学生さんでも、そういう「音楽は欲しいけど、ちゃんとほかのことに集中したい」と思う時って多いはず。S1はそういう聴き方にも向いていると思う。もちろん、じっくり聴きたいときにはそれにしっかり応えてくれるし。

小澤麻:押しつけがましくない音っていうのは、個人的にもポイント高いです。ゴリゴリしたパワー感がありすぎる音って、クラシックには向かないんじゃないかと思うので。実は「S1」を最初に見たときはゴリゴリ系の音なのかなーと思ったんですよ。赤と黒のデザインってそういうモデルが多くないですか? だから良い意味で予想を裏切られた感じがしましたね。

フィリップスのサウンド製品の音作りは、全てゴールデンイヤーと呼ばれる音のエキスパートが手がけている

風間:フィリップスのイヤホンは、「S1」のようなクラスのモデルまで、音のエキスパートである“ゴールデンイヤー”が綿密にチューニングしているわけなんだけど(ゴールデンイヤーの紹介記事)、多くの人が好ましいと最大公約数的なサウンドをしっかり踏まえているなと。こういうのって、できそうでできないと思うよ。

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