【第80回】ハイレゾ初心者はまずコレを！ 高橋敦のオススメ作品ベスト10

花澤香菜「25」　

▼基本データ
フォーマット：FLAC｜96kHz/24bit
販売サイト　：mora
楽曲の詳細＆ダウンロードはこちら：
http://mora.jp/package/43000001/4534530075598/

▼項目評価
ボーカル　｜★★★★・｜
質感　　　｜★★★・・｜
帯域の広さ｜★★★・・｜
解像感　　｜★★★・・｜
空気感　　｜★★★・・｜
空間性　　｜★★★・・｜

▼紹介コメント
心配になるほどの忙しさ（出演作品数）の人気声優、花澤香菜さんのアルバム第二作。その声質と演技力はアニメファンのみならず同業者にも大量の「花澤病」患者を発生させている。本連載では「小倉唯さんへの愛情表現が気持ち悪い」一点突破のネタキャラ扱いだったが、遂に真面目に花澤さんの作品をおすすめできる機会が到来した。

多くの作家を迎えての作品であるので曲調は幅広くカラフル。しかし全体を通して、例えば極端にハードだったりエレクトロだったりな曲はなく、バンドサウンドでもどこかアコースティックな雰囲気を感じられたりするなど、統一感がある。花澤さんの声質や現時点での歌い方を考えれば例えば水樹奈々さんのような怒濤の曲を歌っても良い結果にならないことは想像に難くないし、ご本人からもファンからもニーズが薄いだろう。いまの花澤香菜の魅力を最大限に生かす！というコンセプトで自然にあるべき方向に進めた結果としてこのような作品が生まれたものと想像する。

録音としてはオーディオ的に特筆するほどの高音質要素があるわけではない。しかしアレンジからマスタリングまでボーカルを完全に中心としてそれを邪魔せず際立たせるという、ポップス職人たちの仕事が貫かれている。
なお価格設定にも注目。AAC配信よりは割高だがCD通常盤（2枚組）との価格差はあまりない。現状のハイレゾ配信としては良心的だ。ありがたい。

▼CD音源との比較
特典BD等の関係でCDも購入。CDとハイレゾでマスタリングの方向性を大きく変えることはなく、ハイレゾ版はCD盤の素直な上位互換。極端な変化はないが、普通に全体的に向上している。

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Black Sabbath「Paranoid」

▼基本データ
フォーマット：FLAC、WAV｜192kHz/24bit
販売サイト　：e-onkyo music
楽曲の詳細＆ダウンロードはこちら：
http://www.e-onkyo.com/music/album/uml32294/

▼項目評価
ボーカル　｜★★★・・｜
質感　　　｜★★★★・｜
帯域の広さ｜★★★・・｜
解像感　　｜★★★・・｜
空気感　　｜★★★★・｜
空間性　　｜★★★・・｜

▼紹介コメント
ブラック・サバスの初期作品はそのおおよそがハイレゾ配信されているが、いちばんキャッチーな（ポップなと言い換えてもいい）作品と言えばこれだろう。

メタルに対してキャッチーとかポップとか表現すると批判的な意味合いに感じる方もいるかもしれないがそういった意図はない。「明快な魅力がある」といった意味合いと理解してほしい。つまりこの作品の場合だと、ブラック・サバスとは？ヘヴィメタルとは？という問いへの答えが、ここに明確に凝縮されているように僕には感じられるのだ。端的に言えば、リフ等がわかりやすくてかっこよく、サバスならではの重く引きずるようなグルーヴも満載。そういうことだ。

音質的には別段にハイファイでもヘヴィでもなく、当時の普通のクオリティと思える。しかしそのことがつまり、音色や録音による重低音がどうこうではなく演奏力によってこのようなヘヴィネスを叩き出しているのだという事実をより明らかに突きつけてくるのだ。

なおHR/HM好きの方は他に、Deep Purple「Machine Head」にVan Halen「Van Halen」「1984」等もハイレゾ化されているので要チェック！

▼CD音源との比較
これほどの名盤となるとCDにしてもリマスター盤の種類が多すぎて一概には言えないが、僕の手持ちのCD音源との比較では、ハイレゾ版は明らかに音量音圧を控えてダイナミクスレンジ重視のマスタリングだ。