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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第75回】 DSD対応小型ヘッドホンアンプ「nano iDSD」「DS-DAC-100m」をまとめ聴き!

2014/02/07 高橋敦
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■今回は注目のDSD対応ヘッドホンアンプガチ対決!…ではなく、コンセプトの異なる注目の2機種を徹底紹介する

今回は「DSD対応」で「コンパクト」なUSB-DACヘッドホンアンプの新製品2モデルをピックアップ。これは見逃せないという要注目製品が登場してきているのだ。というわけで早速だが、今回紹介するのは、

・iFI-Audio「nano iDSD」(実売目安2万6,250円)
・KORG「DS-DAC-100m」(実売目安3万2,660円)

…だ。

アルミ梨地的な仕上げのこちらがiFI-Audio nano iDSD

引き締まったマットブラックのこちらがKORG DS-DAC-100m

ここで「いやいやいや!」とツッコミを入れてくれた方も多いだろう。確かにこのふたつのモデル、どちらも「DSD対応」で「コンパクト」ではあるのだが、しかしそのコンセプトや用途は大きく異なっている。ひとつの記事で並べて語るのはちょっと違うのではないか?という話だ。

つまりどういうことか確認しておくと…

nano iDSDは、USB入力に特化した「USB-DAC/ポータブルヘッドホンアンプ」だ。PCとのUSB接続に加えて、iOS機器+カメラアダプタ環境、さらにハイレゾ対応ウォークマンとの接続動作まで対応が明記されているのも嬉しい。

前面にはRCAライン出力端子、3.5mmヘッドホン端子、ボリュームが並ぶ

背面にはフィルタースイッチ、USB端子、同軸デジタル出力端子が並ぶ。USBについては注意点があるので後述

ライバル製品としては、本連載でも活躍してくれているResonessence Labs「HERUS」あたりになる。圧倒的な小ささのHERUSに対して、バッテリー駆動であったり独立したライン出力端子を用意しているなどがアドバンテージだ。

サイズ感は一般的な「ポタアン」を想像してもらえればOK。上に載せたのはいわゆるクレジットカードサイズのカード

一方DS-DAC-100mは、サイズはポータブルというには少し大きめだし、しかも実はバッテリーを搭載していない。iOS機器+カメラアダプタでも動作しないので、いわゆる「ポタアン」としては括れない製品だ。しかし、では「据え置き」なのかというと、十分に持ち運べる大きさ薄さだし、バスパワー駆動なので電源アダプタも不要。身軽なサイズ感と機能を備えていることも確かだ。

前面には3.5mmヘッドホン端子、音量とサンプリング周波数を示すランプ、ボリュームスイッチが並ぶ

背面にはUSBのminiB端子と3.5mmステレオミニのライン出力端子

どういうことかというと、これはKORGによると「モバイル」DACなのだ。ノートPCと一緒に持ち歩いたり、あるいは本機だけを持ち歩いて自宅や仕事場などのPCに適時つないだりするといった使い方が想定されている。ポタアンとしては微妙なサイズ感も、モバイル機器として「ポータブルハードディスクと同程度」と表現されると実にしっくり来る。

サイズ感を2.5 ポータブルハードディスクと比較。なるほどしっくり

ということでこの2モデルは用途が異なり、直接競合するモデルではない。なのでこの記事の趣旨としても「ガチ対決!どっちがいいの?」的なことではなく、「DSD対応DACに個性のある選択肢が増えたよ〜両方紹介するよ〜自分の使い方に合う方を選んでね〜」というようなことだと理解していただければと思う。

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