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USBケーブル交換も効果アリ

【レビュー】超小型192/24対応ポタアン「DacMagic XS」自腹購入記

公開日 2014/01/22 09:00 山本 敦
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豊かな音楽性とエネルギッシュなサウンド

今回はいくつかのハイレゾ音源と、CDからリッピングした音源を使ってDacMagic XSを試聴してみた。再生機にはMacBook Air/Audirvana Plusを、ヘッドホンにはソニーのMDR-R1を組み合わせた。

DacMagic XSでハイレゾ音源を試聴

◆Madonna La Isla Bonita/True Blue(192kHz/24bit・FLAC)
1980年代後半の元気なアメリカン・ポップスを代表するマドンナのヒット作。メリハリの効いたシャープなパーカッションとタイトなベースにシンセサイザーやコーラスが分厚く重なるゴージャスな演奏が、マドンナのジューシーなボーカルをいっそう引き立たせる。解像感の高さだけでなく音楽性も兼ね備えた、煌びやかで上品なサウンドを楽しむことができた。

◆Waltz for Debiie/Milestones<Bill Evans Trio>(192kHz/24bit・AIFF)
ウッドベースの低域は足腰がどっしりしていて量感も豊かなのに、スピード感や躍動感までも非常にハイレベルだ。今回の試聴でDacMagic XSの効果とインパクトを最も強く受けた曲だった。ドラムスのシンバルやハイハットは倍音成分をたっぷりと濃厚に再現。S/Nが良いのでピアノの細かい打鍵のタッチまでが艶めかしく聴こえてくる。クールな演奏なのに熱く情熱的なグルーブが体に染み渡るような不思議な感覚を覚えた。

◆Kuniko Plays Reich/Electric Counterpoint Version for Percussions<加藤訓子>(192kHz/24bit・FLAC)
中高域はクリアさやキレの良さだけでなく、ふんわりと優しく包み込むように芳醇な響きを備えている。スチールパンの音色は金属の弾力が伝わってくるほどリアルで濃密。情報量がとにかく豊富なので、すべての楽器の音色が濃厚で鮮度も高い。音場は縦軸・横軸ともによく広がり、解像感も高く立体的な空間表現を味わえる。

◆Eyes On Me<フェイ・ウォン>(CDリッピング/ALAC)
CDからリッピングした44.1kHz/16bitの音源もチェックした。ストリングスを加えた大編成のバンド演奏をバックにフェイ・ウォンが歌い上げる壮大なスケールのバラード曲。ストリングスの抑揚は表情が豊かで、旋律は余韻の消え際まで伸びやかに美しく再現される。広大な空間に展開される楽器のハーモニーは開放感に溢れていながら細部までよく見渡せる。パーカッションやギターの細かな音も響きが損われることなく、しっかりと楽器の音が鳴っている。滲みがなく鮮度の高いボーカルが、広々とした音場の中にキリッと浮かび上がる。女性的な柔らかくてしっとりとした声の質感も心地良い。


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