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上位機の技術を盛り込みつつDSDネイティブ再生にも対応

【レビュー】デノンの新しいSACD中核機「DCD-1500RE」の実力を検証

公開日 2013/08/23 10:20 大橋伸太郎
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デノンは、同社のHi-Fiコンポーネントの中核ラインともいえる「1500」シリーズのSACDプレーヤーとプリメインアンプの新モデルを発表した(関連ニュース)。今回はSACDプレーヤーである「DCD-1500RE」をレポートする。本機には、前作「SE」での達成を踏まえた上で、上位モデルである「DCD-1650RE」の開発成果が惜しみなく盛り込まれた。

「DCD-1500RE」 ¥126,000

■最新の32bit DACを搭載して「AL32」の効果を最大限引き出す

デジタルプレーヤーとしての本機の魅力の第一が、デノンの独自技術「Advanced AL32 Processing」である。CDの44kHz/16bitデータを本機内部で192kHz/32bitにオーバーサンプリングして高音質でアナログ出力する。ビット拡張の考え方は現在のオーディオで広く採用されているが、デノンがその嚆矢と言えるだろう。

「AL32」自体は前世代の「DCD-1500SE」でも搭載済みだった。一方で大きく変わったのが、心臓部の192kHz/32bit対応DACだ。DCD-1500SEでは旭化成「AK4339」が搭載されたが、本機ではTI製の電流帰還型DAC「PCM1795」を新採用した。

DACには最新の192kHz/32bit対応DACが採用された

4ch対応DACを片チャンネル毎にHOT/COLDで使用し、合算して動作精度を高める差動構成(ディファレンシャル)を採用するが、この方式にはいわゆるゼロクロス歪を抑える利点がある。なお、使用するDACデバイスは上位機種DCD-1650REと同等だ。

そのDACの近傍にクロックを置く「DACマスターデザイン」は「DCS-SA1」以来のデノン技術コンセプトのひとつで、DCD-1500SEでもすでに採用済み。だが、今回は新たにロージッタータイプのマスタークロックを採用、ハイレゾ音楽ファイルの高精度な再生を狙った。

機構部分で注目すべきは新採用の自社開発ドライブだ。DCD-1500SEのメカニズム部が全高45mmだったのに対し、本機は35mmと薄型化を達成、低重心構造に加え防振レベルを向上させた。さらにXYRON(変性ポリフェニレンエーテル樹脂)とスチールのハイブリッドローダーに、やはりXYRON製トレイを組み合わせることで、読み取り精度を向上させた。

筐体内部。独自の新開発ドライブを搭載した上で、徹底した低重心化と制振を推し進めた

データ再生の音質向上のためにブロックコンデンサーも新設計

同社AVアンプやユニバーサルプレーヤーにも採用された防振性能の高い「ダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクション」も、当然採用している。

■USB-DACはDSDネイティブ再生に対応

本機の大きな変更点であり見所が、USB-DACとしての機能。DCD-1500SEは前面のUSB-A端子でiPodやUSBメモリーの再生に対応したが、DCD-1500REは加えて背面にUSB-B端子を搭載。PCの192kHz/24bitまでのPCM音源に対応する。しかし、これは上位機DCD-1650REで対応済み。本機はさらにDSD 2.8MHz/5.6MHzのネイティブ再生が可能となった。つまり兄貴分を超えてしまったのである。なお、USB-DACについてはアイソレーターによる徹底的なPCノイズの遮断が行われた。

本機の背面端子。USB、光/同軸デジタル入力を搭載し、DACとしても活躍する

前面のUSB-A端子はUSBメモリーのWAVファイル再生に対応。DCD-1500SEでは非搭載だった光/同軸デジタル入力を新設した。

次ページディスクならではの実在感を表現できるプレーヤー

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