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最新のDSD再生対応プレーヤーと組み合わせて試聴

【レビュー】バッファローのオーディオ専用NAS「LS421D」を聴く

公開日 2013/07/29 10:00 山之内 正
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■パイオニア「SC-LX57」でDSD再生を検証

「SC-LX57」はハイレゾ音源再生を牽引するパイオニアの自信作で、新たにDSD音源のネイティブ再生に対応するなど、注目すべき点が多い。DSD音源はUSBメモリーからの再生を正式にサポートしているが、バッファローの検証によるとDLNA再生でも問題なくDSD音源の読み出しが可能で、しかも2.8MHzだけでなく5.6MHzのデータにも対応するという。早速試してみよう。なお、スピーカーシステムにはエラックのFS247BEを組み合わせた。

パイオニアのAVアンプ「SC-LX57」。価格は187,000円(税込)

「LS421D」に保存したDSD音源がネットワーク経由で再生できるか検証した

パイオニアの最新操作アプリ「iControlAV2013」上からはSC-LX57が「LS421D」を正常に認識していることがわかる。画面上にはPCM音源と同様にアルバム名や曲名が表示され、操作のレスポンスも良好だ。同アプリ上でピュアダイレクトモードを選ぶと、「DSD DIRECT」と表示され、PCM変換再生からネイティブ再生に切り替わる。

iPad版「iControlAV2013」の画面。SC-LX57でDSDネイティブ再生を行う場合、ピュアダイレクトモードを選択する必要がある

プエンテ・セレステの「NAMA」(MA Recordings、5.6MHz)を同モードで再生すると、ギターや打楽器の発音が生々しく、5人のメンバーの息遣いまでリアルに再現した。演奏中に自然にテンポが上がる様子や高揚感がダイレクトに伝わり、テンションの高い空気が部屋いっぱいに広がる。同一音源のFLAC音源(176.4kHz/24bit)とも聴き比べてみたが、音場の立体感や距離感の深さにDSD音源のメリットを聴き取ることができた。

SC-LX57のネットワーク再生時のGUI。ここに表示される「ビットレート」を見れば、再生しているDSD音源が2.8MHzか5.6MHzか確認することができる

音場のスケールの大きさはオーケストラ録音でさらに際立つ。ゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団のマーラー交響曲第5番(LSO Live 2.8MHz)は余韻がスピーカーの外側まで伸びやかに広がり、そのなかに管楽器や弦楽器の音像が立体的に浮かぶ。同じ音源をUSBメモリーで再生した場合に比べると、フォルテシモの押し出しの強さなど、エネルギー余裕でネットワーク再生が勝っている。

SC-LX57のフロントディスプレイ。DSD再生時には上部に小さく「DSD」表示が点灯する

同一のDSD音源をUSBメモリーから再生した場合と、ネットワーク再生した場合で音質を比較した

同様な傾向はFLAC音源やWAV音源からも聴き取ることができた。オーケストラはステージの奥行きが深く、その周囲に広がる余韻の振る舞いに制約がない。空間再現の余裕とエネルギー密度の高さはLS421Dがもたらすアドバンテージと考えてよさそうだ。既存のHDDモデルのNASから、ここまでのゆとりを引き出すのは簡単ではない。

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