【特別企画】いま明かされる誕生の背景

マランツ「SA-11S3」は、幻の「SA-7S2」だった! − 貝山知弘が新たな銘機を聴く

貝山知弘

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2012年11月21日

2007年発売のフラッグシップSACDプレーヤー「SA-7S1」は、一時期はワールドワイドで1000台の受注をかかえるほどの大ヒットを記録した。そしてその数年後には次世代フラッグシップ「SA-7S2」に向けて準備を進めていた。

ところが、容赦ない環境の変化が襲った。第1弾がリーマンショック、第2弾の決定打は東日本大震災…。お蔵入りの窮地に陥ったそのコンセプト・技術を活かす道はただ一つ、11シリーズとしてまとめあげることだった。こうして誕生した「SA-11S3」。外観やシリーズ名称は11シリーズだが、内容はフラッグシップクラスという本機が誕生した。


MARANTZ「SA-11S3」¥504,000 フロントパネルにはUSB(A-Type)を搭載。iPod、iPhoneデジタル接続やUSBメモリー再生(MP3、WMA、AAC、WAV)に対応できる

アナログ出力端子はRCAとXLRの各1系統。デジタル出力はRCA同軸と光TOSが各1系統。デジタル入力端子はRCA同軸と光TOSに加え、USB(B-Type)も装備している


「SA-11S3」の開発者である(株)ディーアンドエムホールディングスCE エンジニアリング設計本部、マランツ音質担当マネージャーの澤田龍一氏にお話を伺った
もはやアップグレードの次元ではない最高峰を超える性能と音質

マランツの新しいデジタルプレーヤー「SA-11S3」の資料を見ると、この製品は2007年に登場し、ロングセラーを続けた「SA-11S2」の後継モデルと位置付けられている。後継モデルでは当然前作からアップグレードした箇所があるのが普通だが、本機の内容を調べていくと、アップグレードの度合いが著しく高いことに気づいた。

ここまでくるともうアップグレードの次元ではなく、1ランク上の製品への転化と取った方が分かりやすい。マランツのデジタルプレーヤーのフラグシップモデルは2006年に発表されたモデル「SA-7S1」だが、本機の内容はこの製品に限りなく近く、「SA-7S1」のマークIIと言っても過言ではないくらいだ。そして新開発の回路やパーツを加えたことにより、「SA-7S1」をさえ越える性能・音質が得られているのだ。


貝山知弘氏
■「SA-11S3」に搭載された新技術
ディスク再生の精度を徹底追求
シャーシ以外の全パーツを見直す


「前モデルとの共通点はシャーシぐらい」というほど、本機では全てのパーツを見直している。その中にはヘッドフォンアンプの搭載やUSBの入力回路なども含まれているが、次ページからはCD/SACDの再生に直接影響する5つのポイントについて解説していく。

SA-11S3のテクノロジー

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