鴻池賢三がレポート

32型4Kパネルの実力とは? シャープ「IGZO」試作機の実力をチェック

鴻池賢三
2012年04月13日
すでにお伝えしたIGZO量産化の発表会(関連ニュース)で、実機を見ることが出来たので、インプレッションをお届けしたい。

今回発表されたパネルの中でも最も大きい32型は、3,840x2,160画素の、いわゆる4K2Kパネルだ。解像度は140ppiで、iPhone 4Sや新しいiPadのRetinaディスプレイなどと比較するとスペック的に密度はそれ程高くないが、32型という画面サイズや視聴距離を考慮すると、画素は識別できないレベル。大画面超高精細とも呼ぶべき新ジャンルが出来たと言って良さそうだ。

試作した3,840x2,160画素の32型パネル

この32型、現時点ではテレビ用でなくモニター用途を見込んでいるとのことで、医療や設計などの業務用途から実用化が始まる見込みだ。

実際に画を見てみると、32型の4K解像度は強烈。比較用の32型フルHDパネルを見ると、RGBのサブピクセルまで気になってしまうほど画素が粗く感じられる。地図表示でも小さな文字までクッキリと読み取れるので、こういったコンテンツで縮小拡大を行う頻度が減るだろう。細かい部分を見たければ、画面に近寄れば良いのである。

通常のフルHDパネル

IGZOパネル

色の再現性については、IGZO化による効用は特に無いそうだが、逆に言うと、従来のアモルファスシリコンを用いた液晶パネルに対して劣る事も無い。実際に見比べても、色味に関して両者で差は感じられなかった。

コントラスト感は、スペック値だけで比べると、今回展示されたIGZOは1,000対1、比較展示されていたフルHDパネルは4,000対1とIGZOが大きく劣るが、今回、明るい照明下で比較した分には、大きな差異は感じられなかった。

むしろ、斜めから見たときの差が印象に残った。従来のフルHDパネルが白っぽくなり階調の反転が目立つのに対し、IGZOはやや暗くなるが、ナチュラルな画を保つ点で優れている。低消費電力に注目が集まりがちなIGZOだが、今回展示されたパネルの完成度は高く、画質の面でもポテンシャルの高さが窺えた。今回は静止画のみのデモで、動画画質のポテンシャルは未知数だが、今後の展開が大いに楽しみだ。

(鴻池賢三)