大画面3Dの新しい視聴スタイル

「映画館を一人占めしている感覚」 − ソニー3Dヘッドマウントディスプレイを早速体験!

林正儀
2011年08月31日
テレビでもない、プロジェクターでもない。装着すれば、すぐに大画面3D映像とサラウンド音声が楽しめるソニーのヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T1」(関連ニュース)を初体験した。

本機はヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)部とプロセッサー部が分かれているのだが、HMD部は見てのとおりスマートだ。レンズが部分さえ無ければ、まるでサラウンドヘッドホンのようなライトな感覚に共感がもてる。

「HMZ-T1」のヘッドマウントディスプレイ部

後ろから見たところ

HMD部を装着すると少し前過重な感じがあるが、ソファーにもたれながら位置調整すると、ピタッとくるポイントが見出せた。慣れたら問題ないだろう。意外にフィット感もよく、この姿勢なら長時間の視聴でも疲れないはずだ。

プロセッサーユニット部

■「映画館を独り占めしている感覚」

さて、映像の第一印象である。Blu-ray 3D「ガフールの伝説」などを見たが、とにかく画面が大きく、明るい。映画館を一人占めしているような感覚だ。

有機ELらしい緻密かつ色調豊かなニュアンスで、フィルムライクな黒階調が素晴らしい。視野角は45度に設定されているが、遠くの位置に大画面が表示される見え方になるので、非常に目に馴染みやすい。ふくろうが飛ぶシーンなど、吸い込まれるように遠近が深く、映画館のような雄大な立体映像にワクワクさせられる。

しばらく見ていたが、デュアルパネル3D方式は右目用と左目用の映像が完全にセパレートされているために、クロストークが全くない。さらに台形歪みもなく、目にストレスを与えない。このため3D映像を見続けていても、疲労感が少ない。これは今までになかった体験である。

「オペラ座の怪人」は映像は2Dだが、クリスティーヌが歌うシーンなど、なぜか立体感を感じる。本機には2D-3D変換機能は搭載されていないので、これは不思議なのだが、思わぬ収穫だった。

■ステージ感ときめ細やかさを両立させたヘッドホン

音の方もヘッドホンと思えない豊かな質感があり、心地よい5.1chバーチャルサラウンドに包囲される。歌声のヌケがよく、ステージ感があって、セリフや様々なエフェクト音もキメ細やか。なおかつ耳元で音が鳴っている感じがしないのだ。32ビットDSP信号処理の効果なのか、とてもナチュラルで、普通にスピーカーで聞いているイメージだ。雄大な3D映像と溶け合う上質なサラウンドで没入感が倍増する。



本機は接続もシンプルで、プロセッサーからHMDまではケーブル1本でつなぐことができる。また、前述したとおり装着感も違和感が少ない。

価格も約6万円と手頃であり、大画面3D視聴の新しいスタイルを提案する好商品と評価したい。


林正儀 プロフィール
福岡県出身。工学院大学で電子工学を専攻。その後、電機メーカー勤務を経て、技術系高校の教師というキャリアを持つ。現在、日本工学院専門学校の講師で、音響・ホームシアターの授業を受け持つ。