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山之内 正が検証

アナログレコードのデジタル化ならコレ! コストパフォーマンス抜群のUSBオーディオを使ってみた

公開日 2010/12/16 15:49 山之内 正
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■録音したあとのノイズ除去や楽曲情報自動取得も

ノイズの除去レベルを上げすぎると音楽信号の高域情報まで失われるおそれがあるので、特にヒスノイズレベルを上げすぎないことが肝心だ。ちなみにソフトのマニュアルでは、「ヒスノイズレベルスライダー」を30%の位置に設定した状態で「オリジナルヒスノイズスライダー」を少しずつ右に動かして、最適なレベルを設定することを薦めている。

録音結果を聴けばわかるが、このノイズ除去効果はかなり強力で、使用後は「プチッ」というノイズはほとんど気にならず、CDのようなクリアなサウンドに生まれ変わる。適切なレベルに設定すれば、パーカッションの粒立ちなど高域情報をキープしつつ、ノイズだけを目立ちにくくすることが可能だ。最後に保存フォーマットを選べば、録音作業は完了する(ステップ7)。CDに焼くことを前提にしているならWave形式で44.1kHz/16bitを選んでおくとよい。

Media Toolboxの「オートタグクリーナー」を利用すれば、インターネット経由でさきほど紹介した曲情報の取得が行える。CDではおなじみのサービスだが、Gracenoteは波形の特徴を判断して曲を識別する機能も提供しているため、アナログレコードから取り込んだ音源にも利用できるのだ。

Media Toolboxは音楽の波形データをもとにして楽曲情報を取得する機能も備える

ただし、この機能が利用できる音楽ファイルはmp3とwmaのみなので、wave形式で録音したファイルの場合はMedia Toolboxに含まれる変換ツールを利用し、いずれかの形式に変換したあとで「オートタグ」を適用する必要がある。ポピュラーな曲ほど正確な情報が入手できる確率が上がるが、データベースからはいくつかの候補が提示されるので、実際と異なる場合はその候補も参照してみるとよい。

Media Toolboxで音楽フォーマットを変換できる

■コストパフォーマンスの高さは疑いようがない

最後に、実際にアナログレコードから取り込んだ際の音質を紹介しておこう。使用したパソコンはVAIOのTZシリーズ、OSはVista Home Premiumである。ジェニファー・ウォーンズの『The Well』を1枚まるごと取り込んだサウンドは、音源がアナログレコードとは思えないほどS/Nが高く、ノイズの存在はほとんど気にならない。

左右のセパレーションや高域の伸びやかさは、今回使用したAT150MLXの性能を忠実に反映しており、特にボーカルのなめらかなタッチとギターの鮮度の高い音色にアナログレコードならではの メリットを実感することができた。

フォノイコライザーを内蔵していることに加え、豊富な機能を実現するソフトが付属することを考えると、本機のコストパフォーマンスの高さは疑いようがない。

(山之内 正)

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