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欧州では11月に発売予定

<IFA2010>ソニーの新SXRDプロジェクター詳報 − 3D対応だけでなく2D画質も進化

公開日 2010/09/03 22:22 ファイル・ウェブ編集部
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プレスデイのソニーカンファレンスレポートでもお伝えした通り、ソニーは3D対応のホーム用SXRDプロジェクター「VPL-VW90ES」を、IFAの同社ブースに出展した。今回は新たに取材した新機種の詳報をお伝えしよう。

新製品は3D対応の「VPL-VW90ES」と、スタンダードモデルの「VPL-HW20」の2機種。いずれも同社独自のフルHD対応SXRDパネルを搭載している。

今回のモデルからプロジェクターにも冠されていた“BRAVIA”のシリーズ名が変更され、代わりに上位機には高級BDプレーヤーやSACDプレーヤー、AVアンプなどが冠する「ES」のシリーズ名が付けられることになった。

上位機種の3D対応機「VPL-VW90ES」はヨーロッパで11月頃の発売を予定している。「VPL-HW20」は3Dには対応していないが、SXRDの高画質を手軽に楽しめる2Dモデルとして、10月頃に発売を予定している。

なお、価格は両モデルともに未定。日本国内での発売も期待したいところだ。

4倍速表示対応SXRDのメリットを活かした、単眼式3D対応プロジェクター「VPL-VW90ES」


VPL-VW90ES
VPL-VW90ESは、本機のために新規開発したSXRDパネルを搭載。対角0.61型というサイズは変わらないが、画素間のピッチを前機種「VPL-VW85」の0.25μmから、本機では0.2μmと狭くしたことで、パネル表面のフラットネスレベルが改善され、より精細感が高く、メッシュ感のない映像再現を可能にしたという。

本体にはオートアイリス機構を採用し、オートアイリス駆動時のダイナミックコントラスト比は15万対1。VW85の12万対1という数値をさらに向上させている。映画のジャンルや映像ソースにより、アイリスの動作を「オート1/オート2/マニュアル/オフ」の4つから選ぶことができる。「マニュアル」選択時にはアイリスの動作を手動で細かく調整できる。

また画素間ピッチが狭くなることで、パネル表面に生じる乱反射をさらに抑えることができ、コントラスト向上につながるという。パネル単体のコントラスト比は、VW85に比べて15%向上。機器トータルのコントラスト比は同じく25%向上した。

光源は200Wの高圧水銀ランプ。新パネルの搭載により開口率が向上したことや、光学系の構造を見直したことで輝度も向上。2D映像の投写時で、VW85の800ルーメンから、本機では1000ルーメンに向上している。

3D再生は240Hz・4倍速駆動のハイフレーム表示に対応したSXRDと、液晶テレビ“BRAVIA”3D対応機の開発で培った映像回路を組み合わせ、フレームシーケンシャル方式の3D表示を実現。1基の光学ユニットと1基のランプ、1基のレンズによる単眼式の3D対応プロジェクターを完成させた。3Dコンテンツの視聴にはアクティブシャッター方式のメガネを用いる。

なおフレームシーケンシャル表示を同期させるためのトランスミッターは、プロジェクター本体のレンズ周囲のリング部に内蔵されている。スクリーンが反射した信号をメガネで受け、同期させる仕組みをとっている。3D表示はフレームシーケンシャル方式のため、シルバースクリーンを用いる必要がなく、マット系素材の一般的なスクリーンで楽しめる。内蔵トランスミッターでは、プロジェクターからスクリーンまで最大5mの設置距離、120インチの画面での3D投写に対応できるという。

3D映像は、240Hzの高速駆動のメリットを活かした、クロストークが少ない、ストレスフリーな映像を実現している。3Dセッティングのフレキシビリティも高められており、3D映像の「奥行き調整」や、3Dメガネのシャッター開閉時間を調整して映像の「明るさ」をユーザーの好みに合わせて微調整できる設定項目が設けられている。眼鏡の明るさは「明・中・暗」から、3D奥行き調整は「-2/-1/0/+1/+2」の範囲で調整可能だ。

なお、3D BRAVIAに搭載された2D-3D変換アルゴリズムが本機にも搭載されており、2D映像のリアルタイム3D変換を実現。2D映像入力の時に「シミュレーテッド3D」機能を選ぶことができ、効果は「強/中/弱」から選択可能。さらに、3Dコンテンツから2D映像への強制変換機能も備えている。

ピクチャーモードはVW85と同じ。トリガー端子は用途を、電源か外部アナモフィックレンズ装着用に選択が可能。HDMI CECにも対応する。

投射レンズには電動1.6倍ズーム対応の「ARC-F」(オールレンジクリスプフォーカス)レンズを搭載。レンズシフトは上下65%、左右25%。

SXRDの高画質をより身近に楽しめる「VPL-HW20」


VPL-HW20
SXRDプロジェクターのスタンダードモデルである本機は、外観は前機種のVPL-15Wと変わらないが、光学系の改良によりコントラストと輝度を向上させている。

本機も新規開発のSXRDパネルを搭載しており、オートアイリス駆動時の“ダイナミックコントラスト”は6万対1から8万対1に向上している。光源は200Wの高圧水銀ランプ。倍速表示は120Hz駆動。画素間スペースは0.3μmから0.2μmまで狭め、コントラスト比をアップさせている。NTSC90%、sRGB以上の広色域を保ちつつ、輝度向上も実現。HW15の1,000ルーメンから、リビングシアターにも対応できる1,300ルーメンまで輝度を上げた。

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