もっと使える!PS3のHDD − 第2回:「ダビング10」スタートで広がる“PS3活用術”

2008年07月23日
BDレコーダーの「BDZ-A70」や「BDZ-X90」などが備える「おでかけ転送」機能と、SCEのゲーム機PLAYSTATION 3(PS3)を徹底活用して“ミニマムシアター”を作ろうという企画の2回目レポートをお届けする。初回レポートの掲載から時間が経ってしまったが、その間に世の中の状況はちょっとだけこの企画の趣旨に近づいてきたように思う。


PLAYSTATION3のHDD活用術を今回も検証する
まずテスト対象のBDレコーダーが「ダビング10」に対応した。これでWOWOWなど有料放送を除く地デジ、BSデジでの番組を録画した場合、9回まで「おでかけ転送」できるようになった。「9回もおでかけするか?」と思われるだろうが、例えば話題のドラマを録画した場合、家族で一つの番組をそれぞれ持ち出して楽しめるようになる。BDZ-A70なら対応する“ウォークマン”A820シリーズに動画の転送が可能だ。今後、おでかけ転送に対応する低価格のウォークマンが発売されて、より身近になれば、家族それぞれで同じ番組を移動中に楽しめそうだ。残念ながら筆者が持っている“ウォークマン”A800シリーズはおでかけ転送に対応していないので、PSPのみで再生し、楽しんでいる。

「PS3活用術」的に使うなら、1回はPS3へのおでかけ転送に使い、残りはBDやDVDへの保存用に使えばいいだろう。おでかけ転送は10回まで可能で、9回までダビングカウントが消費される。そして10回目でムーブ扱いになり、ここで初めて「おかえり転送」を使うことになる。

市場動向の変化について、もうひとつ注目すべきなのはアメリカで80GBのHDDを搭載するPS3が発表されたことだ(関連ニュース)。前回のレポートでお話ししたように、AV用途に特化して使うようになると40GBや60GBでは物足りない。もし筆者のようにムービーのコレクションをしようとするなら120GBや160GBが適当。予算があるなら320GBも視野に入れて、HDDを増量すべきではないかと考えている。そう考えると標準が40GBから80GBへボリュームアップしたことは、大いに歓迎したい。今後PS3では動画配信サービスなどもスタートする見込みなので、個人的には一気に320GBまでボリュームアップして正解だと思っている。では、テストの続きをご報告しよう。


前回HDDの増強に成功したPS3の電源を入れると、システムソフトウェアを再インストールするように指示が出る。ソフトはパソコン経由でダウンロードした後、USBメモリーで移動してバージョンアップを行った。このあと「スタートボタン」と「セレクトボタン」の同時押しで、HDDのフォーマットがスタート。フォーマットが完了するとソフトウェアのバージョンが更新される。

HDD交換後に起動すると、システムソフトウェアを再インストールするように指示が出る。なんだか面倒だなぁ。

パソコンを使って最新のシステムソフトを入手し、USBメモリーに保存する。


USBメモリーからシステムソフトのインストールを行うと、HDDのフォーマットがスタートする。


フォーマットが完了すれば、最新のシステムウェアになる。
いよいよBDレコーダーに、貯まりに貯まったコンテンツをPS3に転送していく。手順はBDレコーダーのBDZシリーズにPSP(もしくは対応するウォークマン)を接続して、動画をメモステムービーサイズに変換しつつ転送する。次にPSPをPS3に接続して、メモステ上の動画をPS3に転送するという段取りだ。

実はこの一連の作業で、もっとも面倒なのが「この作業」なのだ。BDZからPSPへの転送は録画番組を複数選択できて、一括転送できる。転送する番組数にもよるが、8GBのメモステを満たすには、小1時間の転送時間が必要なので、操作を終えたらそのまま放置している。問題なのはPSPからPS3への動画転送時に、複数のタイトル選択ができないので、作業を付きっきりで行わなければならないことだ。筆者はテレビを2画面表示にして、テレビ番組を見ながら、ちまちまとPSPの動画をPS3へ転送している。これはどちらの仕様のせいなのかわからないが、ぜひファームウェアをアップする際にPSPからPS3への動画移動を複数選択できるようにしていただきたい。いや、もしできることなら、BDZとPS3をUSBケーブルで直結して番組を一括転送できるようにしてもらえれば、革命的に使いやすくなるはずだ。

画面を見ると「ダビング10対応」以降に録画した番組(四角のなか)には「10→」のアイコンになっている。

BDレコーダーからPSPのメモステに転送し、さらにPSPからPS3へ転送する。面倒だが、PS3に映像ライブラリーを作りにはいまのところ、この方法しかない。

ダビングやおでかけ転送をするごとに表示の数字は減ってゆく。


筆者はBDレコーダーのHDD容量を確保するために、おでかけ中の番組はすべて削除している。8GBのメモステに約67GB分の映像が転送できた。

アナログ放送の番組はコピーフリーなので「ムーブ」ではなく「コピー」と表示される。
「ダビング10」の登場により、おでかけ転送機能は格段に使える機能になったと思う。PSPやウォークマンに持ち出し中でも、BDレコーダーの本体で再生ができ、さらに光ディスクにも保存できる。「ダビング10」になっても孫コピーは不可能なままなので、録画番組を長期保存するには、使いづらい部分もあるが、このようなモバイル機器での利用に限ってはこれまでよりも便利に使える。リッチコンテンツが多い、WOWOWなどの有料放送はコピーワンスのままだが、こちらはほとんどの番組に再放送があるので、不便は感じないだろう。地デジ、BSデジを合わせるとすべては見切れないほどのコンテンツを録画できる。これらを効率よく録画・保存・再生するには光ディスクだけでなく、PSPのHDDまでフル活用し、さらに移動中もテレビ番組を消化したい。PS3、PSPユーザーならおでかけ転送対応のレコーダーの入手がお薦めだ。次回はPS3に保存した動画ライブラリーをテレビで楽しんでみたいと思う。

(レポート:鈴木桂水)


筆者プロフィール
元産業用ロボットメーカーの開発、設計担当を経て、現在はAV機器とパソコン周辺機器を主に扱うフリーライター。テレビ番組表を日夜分析している自称「テレビ番組表アナリスト」でもある。ユーザーの視点と元エンジニアの直感を頼りに、使いこなし系のコラムを得意とする。そのほかAV機器の情報雑誌などで執筆中。
>>鈴木桂水氏のブログはこちら

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