対決!DSテレビ v.s. PSPワンセグ − 使い勝手や画質、スタミナ性能などを徹底比較

2007年11月26日
11月20日に発売されたニンテンドーDS向けのワンセグ放送受信機器「DSテレビ」。ワンセグ機器を探していたユーザーにとっては、先行して発売さたライバルのゲーム機、PSP-2000用の「ワンセグチューナー」との優劣も気になるところだろう。ここで両機を用意して比較インプレッションに挑戦してみよう。

簡単に両機のプロフィールを紹介しておこう。


左:PSPの「ワンセグチューナー」。新型PSPのみに対応する。価格は6,980円 右:ニンテンドーDSでワンセグを受信できる「DSテレビ」。価格は6,800円
「DSテレビ」は2007年11月20日発売のニンテンドーDS/DS Lite周辺機器だ。使い方の詳細は前回のレポートに譲るが、DSのゲームのようにセットして使用する。価格は6,800円で任天堂のホームページから直販で購入できる。

PSPの「ワンセグチューナー」(関連ニュース)は、2007年発売の新型PSPと同時に発売された新型PSP(PSP-2000)専用のオプションだ。使用にはメモリースティックDUOが必要で無料で更新できるファームウェア3.70以降で使用できる。

●ソフトの操作性と機能を比較

「DSテレビ」、PSPの「ワンセグチューナー」の機能面を比較してみよう。どちらも通常通りワンセグ放送を視聴できるのは当然として、実際に並べて使ってみるとチャンネル切り替え速度の違いに気づいた。PSPの「ワンセグは約2秒程度で十分高速なのに対して、「DSテレビ」は約4秒程度とやや遅く、PSPの方が快適に使える。

操作性という面ではDSのタッチパネル、PSPのボタン操作の比較になるが、直感的に使えるという意味ではDSに軍配が上がる。ほとんどの機能が常時下画面に表示されるため、迷わずタップするだけで使えるのはありがたい。PSPはボタンを活用した機能的な設計で、慣れれば使いやすいだろう。

DSテレビはタップ中心の操作

PSPはボタン操作。十字キー、○△×□、L、Rとフル活用する

ワンセグ放送としての機能はPSPの充実ぶりが目立つ。PSPはEPG(番組表)で先の番組情報を表示できるのに対して、DSテレビは現在放送中の番組の簡単な情報のみで、次の番組内容を簡単に確認できるだけだ。

PSPは□ボタンでチャンネル一覧を表示できる。全チャンネルの番組名も確認できる

更にL、Rボタンを押すと番組表に切り替えられる。表示はチャンネル別だ


更に詳細な番組情報の表示もできる

ニンテンドーDSは「INFO」ボタンをタップすると表示。ただし、詳細表示はない

PSPは、ワンセグのデータ放送にも対応している。データ放送は天気予報やニュース、テレビドラマの公式サイトでは人物紹介などを見られたりと最近は掲載内容も充実してきているので、PSPの高機能が活きる部分だろう。

もっとも、DSテレビのオリジナル機能の目の付け所も面白い。「読むTV」はニュースなどを見る際に手軽に内容を遡ることができ、PSPには為し得なかった使い勝手を獲得していると思う。「ツボTV」の表示もワンセグから外れるものの、お役立ちだろう。

PSPはワンセグのデータ放送にもフル対応する

「読むTV」は番組内容を振り返ることができ便利

●ハードウェアの携帯性をチェック

ポータブル機である以上、実際に持ち歩くハードとしての持ちやすさ、携帯性も比較してみよう。

サイズ・重量に注目すると、ニンテンドーDS Liteに「DSテレビ」を取り付けた状態で約256gに対して、PSPは「ワンセグチューナー」が約206gとPSPの方が軽い。

両機種を比較するとDSの方が厚く、PSPの方が幅が大きい

ニンテンドーDSに「DSテレビ」を取り付けた状態。本体はやや大きいが、折り返して収納できるのである程度省スペース

PSPの「ワンセグチューナー」はUSB接続。出っ張りも小さいため携帯性は良好

実際に外出して手に持って番組を見るときの携帯性はどうだろうか。同様に持ち運んでみると、ニンテンドーDSの方が持ちやすく操作しやすいと感じることも多かった。

これは形状の問題で、PSPは重量こそ軽いとは言え液晶画面が大きく横長のため特にボタン操作をしない場合でも両手で支えたくなる。一方、ニンテンドーDSは操作こそタッチペンのため両手が必要ながら、片手でも持った際にもしっかりホールドしやすい。

外観という面では、屋外で使っているとニンテンドーDSはアンテナが長く目立ち過ぎるのが気になる。例えば電車の中などで使っていて違和感がないのはPSPの方だ。

「DSテレビ」を持っている状態。片手でも持ちやすい

PSPの「ワンセグチューナー」。重量は軽いもの、片手で持つにはやや重量バランスが悪い

●両機種の受信感度比較

今回はJR池袋駅周辺で受信感度のテストを行ってみた。

ジュンク堂書店前を始めとする周りをビルが囲む明治通り沿いは、徒歩で歩いている限りニンテンドーDS、PSP共に受信は安定している。JR池袋駅は、屋外の開けた場所からすぐ屋根のあるコンコース内に入ると受信感度が落ち始め、アンテナを伸ばしても、階段を下った地下コンコースにたどり着くまでもなく受信が行えなくなった。池袋で家電戦争を繰り広げているビックカメラ、ヤマダ電気の両店では、屋内2Fのテレビ・レコーダーフロアでは、アンテナを伸ばしても受信が安定しない。これは性能以前より、ワンセグ放送自体の特性だろう。

屋外はビルに囲まれた明治通りを歩きながらテスト

どちらもアンテナを伸ばすことなく安定した受信を行える

公共交通機関のターミナル駅は屋根も大きく受信しにくいシーンだ


ニンテンドーDS、PSPの受信感度比較という観点で見ても、どちらか片方だけで受信できるという状況はなく、切れるまでに僅かなタイムラグがあるといった程度。若干ニンテンドーDSの方が良かったものの、実質的な利用シーンに差が現れることはなさそうだ。

●両機種のバッテリー駆動時間を実機チェック!

外出先で長時間テレビを見る際のバッテリーの持ちはどうだろうか。特に通勤電車で使うユーザーで、毎日充電する訳でもない人にとっては、ある程度余裕のあるバッテリー駆動時間は欲しい。

今回はDS Liteに取り付けた「DSテレビ」、PSPの「ワンセグチューナー」を使って、NHK-Gの番組を受信して実駆動時間のテストを実施してみた。明るさはどちらも上から2番目の設定で、内蔵スピーカーのボリュームは0に絞り、一箇所に置いて表示が消えるまでの時間を計った。

結果は、3時間50分が過ぎたところでPSPのバッテリが尽き、先に沈黙。ニンテンドーDSは4時間20分まで粘ったところで電源が落ちた。その差はちょうど30分で、ニンテンドーDSの方が長時間駆動できるという結果が出た。

受信感度の良い窓際で時間を測定。結果は4時間20分使えたニンテンドーDSの勝利!

●画質・音質

AVファンならば気になる、映像や音声のクオリティについてはどうだろうか。

映像を決める液晶の仕様は、ニンテンドーDSが3インチの256×144ドット、PSPは4.3インチの16対9ワイドスクリーン。ワンセグ放送は16対9のワイド放送のため(SD収録の番組は両端にオビが出るが)、単純に考えてもPSPの方が相性が良い。

実際の映像を見ても、やはりPSPの圧勝と言わざるを得ない。PSPはやや色が浅めではあるものの、精細感の高さは圧倒的で、色合いも自然。ワンセグ放送の実力を十分に出し切っている。

ニンテンドーDSは画面が小さいだけでなく、色は相当なコントラスト重視でメリハリの効いた色で表示している。特に階調のグラデーションのある映像が厳しい。精細感も出し切れておらず、AV的な基準で評価できる映像ではない。文字などの読みやすさを重視して、意識してダイナミックな映像にしているのだろう。

内蔵スピーカーの音質も、PSPの方が解像力、音の広がり、低音の力、すべてにおいて上回っている。ただし、ヘッドホンを使った際の音質はほぼ同等。どちらも特に不満を感じることはないだろう。

ニンテンドーDSの画質。一目見て分かるほどに甘く色もかなりキツめだ

PSPは液晶サイズが大きいだけでなく映像も自然。色あいも自然でキレイ

●総括

今回様々な面でテストしてきたが、AV的なクオリティと高性能さで比較すると、圧倒的にPSPのワンセグチューナーが優秀という結果になった。AV機器メーカーの面目躍如といったところだろう。ニンテンドーDSの長所は操作性のシンプルさで、両ゲーム機のユーザー層を検討した上での性格の違い、と言えるかも知れない。

両機種の価格はほぼ同額。コストパフォーマンスはPSP「ワンセグチューナー」の方が優れているが、ゲーム用に普段持ち歩いている機器に合わせて選択しても、後悔することはないはずだ。

(折原一也)

折原一也 プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。

関連記事