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【一条真人の体当たり実験室】YouTubeでウケる動画を作ろう!<後編> − 強烈動画へのアクセス数は?

公開日 2007/09/07 18:51
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後半では、前回、説明したコンセプトに基づいて実際に2つの動画を作成し、YouTubeにアップロードし、その結果がどうなったか、というレポートをお送りする。YouTubeへアップロードできる動画の形式やメンバー登録、アップロード方法なども説明しているので、YouTube初心者の方は参考にしていただきたい。

●2つの動画をテスト作成

2つの動画のプロフィールおよび、編集作業は以下のように行った。

動画1:「メントスをなめながら、コーラ飲みにチャレンジ」


この動画は、“素朴な疑問を実際にやったらどうなるか”を実証するために作った。メントスとコーラを組み合わせると、凄い発泡が起きるという話は一時期、ネットでも話題になり、それを試した動画がいくつかアップロードされたのを見たことがある。ただし、それはコーラのビンに対して、メントスを落として発泡させたものばかり。現実的なシチュエーションではない。そこで、実際にそれを同時に人間が食べたらどうなるかにトライしてみた。

●構成をどうするか?

ビデオの構成として、メントスをなめながらコーラを飲む映像だけを見せてもいいが、それを見た人には、それがなぜ、そうなったのかを理解できないかも知れない。そのため、コーラとメントスを組み合わせた際の威力を試す映像を前に入れることにした。つまり、「コーラ+メントスの威力を見せる→2つを口に入れる」という流れを考えた。

自分がトライしている映像だけでは、どれだけ威力があるかわからない可能性があるため、単体でのテストの映像も入れることにした

しかし、気の短い人は最初のシーンの結果だけを見て、後のシーンを見ない可能性もある。そこで、先頭に2つのテストをするという説明ナレーションカットを入れ、3パート構成にした。要するに、「ビデオ全体の説明 → コーラ+メントスの威力を見せる → 2つを口に入れる」となる。

結果は動画を見ていただきたいが、トライでの感想を補足すると、メントスをなめながら、コーラを飲んだ場合、その強烈な発泡は瞬時に起きるわけではない。1〜2秒でジワッと発泡していき、気がつくとビデオ映像のような状態になってしまう。このとき、発泡していく泡にはあまり味を感じない。コーラとメントスという刺激物を口に入れているのだから、2倍の刺激があってもよさそうなものだが、2つの刺激物成分が化学反応を起こして発泡を起こしているため、刺激成分が消費されてしまい、あまり味を感じないのではないかと思う。

意外にも味は感じなかったメントス+コーラ

●実際の編集

ビデオ映像の編集に使ったビデオ編集ソフトはコーレルの「VideoStudio11」。撮影時は、単体テストと自分のトライでそれぞれメントスを1個と3個の場合のテストを撮影していた。しかし、実際、編集してみるとかなり冗長に感じられたため、最終的な映像ではインパクトの大きいメントス3個の場合だけを使うことにした。また、撮影時は意味のない動きをしてしまうことが多いため、各シーンでできるだけ前後をカットしてトリミングしている。短い映像なので切り替え効果などは使わなかった。

タイムライン表示したところ。単に取り込んだだけでは前後の無駄なカットが多いため、シーンごとにできるだけ前後をトリミングしているのが、プレビューウィンドゥの下のマークイン、マークアウトを見るとわかる


動画2:「永久凍土のアラスカに露天温泉が!チェナ・ホットスプリング」


これは珍しい場所を紹介するというコンセプトの動画。数年前、アラスカにオーロラを撮影しに行ったとき、チェナ・ホットスプリングというキャンプ場を訪れた。ここは飛行場もある大きなキャンプ場で、夜はオーロラを見ることもできるが、目玉は温泉があること。暖かくても零下20度程度のアラスカで温泉に入れるとは思わなかった。この温泉はせいぜいぬるま湯程度の暖かさなのだが、周囲が寒いので暖かく感じる。

露天風呂なので、温泉に入るまでの数メートルは裸で移動する必要があり、入るだけでも死ぬ思いである。また、周囲は零下20度以下なので、温泉で濡れた髪の毛が凍って、髪の先端が白くなってしまう。

アラスカはその寒さから民生用ムービーカメラでの撮影が難しく、静止画像しか撮影できなかった。そのため、チェナの景観やオーロラなどの静止画像のスライドショーにし、BGMをつけてみた。これもVideoStudio11で編集している。このときは、数台のデジカメを持っていったのだが、防寒ケースやマリンパックなど、できる限りの対策をした。ためしに1台だけ素で使っていたデジカメは壊れてしまった。壊れなくとも、寒さでバッテリが弱るためバッテリの小さなカメラは一桁枚しか撮影できないなど、零下20度以下の寒さはデジタルデバイスには致命的なのを実感した。

●YouTubeのための動画形式

編集の次はビデオファイルに出力するわけだが、YouTubeにアップロードするのに必要な条件は、映像の長さが10分以内、最大サイズは100MBで、ビデオ形式としては現在の主流方式のほぼすべてに対応している。MPEG4やDivX形式でのアップロードも可能だ。

動画のドット数に関しては、どんな解像度でアップロードされても、YouTube側で320×240ドットに変換される。また、アスペクト比は4:3になる。アスペクト比16:9の映像がアップロードされた場合は、上下が黒くなってしまうだけで、アップロード自体は問題なくできる。

アスペクト比16:9の映像をアップロードすると、上下が黒いバーになってしまう

変換後も美しい映像にしたい場合、はじめから320×240ドットで出力し、アップロードするべき。圧縮方式も含めると、YouTubeに美しいビデオ映像をアップロードするためのお薦め動画フォーマットは以下のようになる。

---------------------------------------------------------
解像度:320×240ドット
圧縮:MPEG4(DivX、Xvidを含む)
音声圧縮:MP3
フレームレート:30fps
------------------------------------------------------------

VideoStudioでDivX形式で出力したい場合、「ファイルの種類」でAVIを選択し、オプションで圧縮方式や解像度などの詳細を設定できる

●YouTubeへのアップロード:まずはメンバー登録

YouTubeに動画をアップロードするには、まずはメンバー登録をする必要がある。これはページの上の「ユーザー登録」をクリックして表示されたページで、登録したいユーザー名、パスワード、メールアドレスなどを入力することで、行うことができる。ちなみにすでに使われているユーザー名は登録することができないので、必ずしも自分好みのユーザー名を使えるわけではない。

登録処理が終わると、このような画面が表示され、入力したメールアドレスに確認メールが送信される


ログイン画面が表示されるので、ユーザー名、パスワードを入力してログインする

●動画アップロードの実際

メンバー登録をして、ユーザーログインすると、以前は「メンバー登録」が表示されていた部分に、自分のユーザー名が表示される。動画をアップロードするには、ログインした状態でページ右上の「アップロード」をクリックする。

すると動画のアップロードページが表示されるので、動画のタイトルと説明、タグを入力し、「動画のアップロード」をクリックする。このとき、必要に応じて「動画のカテゴリ」ポップアップメニューで動画のジャンルを選択することができる。なお、ブロードキャストオプション、日付とマップオプション、共有オプションなどは通常、設定を変える必要はない。

タグは動画の検索のためのキーワードなので、できるだけ多く入力したほうが検索でヒットしやすくなる

すると、動画アップロードページが表示されるので、「Browse」をクリックし、表示されたダイアログで目的のビデオファイルを選択する。目的のファイルの選択後、「動画のアップロード」をクリックすると、アップロード処理が行われる。

ファイルの選択後、「動画のアップロード」をクリックすることで、アップロード処理が実行される

アップロード終了後、「マイ動画に移動」をクリックすると、動画の登録状況が表示される。アップロードした動画を見られるまでには、変換処理のため数分かかる。ちなみに「URL」入力ボックスのURLはその動画にジャンプできるURLアドレスなので、ブログなどを持っている人は、これを使って動画へのリンクを作成することができる。

変換処理が終わると、サムネイル表示になる

なお、このマイ動画画面で、目的の動画の右の「動画情報の編集」ボタンをクリックすることで、動画情報を編集ができ、サムネイル画像を変更することもできる。


●さて、人気動画は作れたか?

さて、アップロード後のヒット数はどうなったろうか。チェナの映像は、メントス映像の約40分後程度にアップロードしたのだが、その時点でメントス動画のヒット数は50に達していた。そして、約24時間後ではメントス動画が229、チェナが24。約2日後ではそれぞれ282、28、約3日後には297、32となった。数字的に約10倍の開きが出たが、より珍しくインパクトのあるもののほうがYouTubeでは興味を持たれるということだろう。

YouTubeで人気動画というには1,000ヒット/日以上は必要なので、メントス動画にしても人気動画を作るという目的には達することができなかったが、平均以上の数字にはなっている。どんな映像を作るべきか?というコンセプトを考えて計画的にビデオを撮影、編集することにより、ある程度の数字がとれるビデオを作れることをある程度、証明できたのではないかと思う。

チェナの動画のアップロード時点の数字


約24時間後。両者のヒット数には10倍の開きが出た

(一条真人)

執筆者プロフィール
デジタルAV関連、コンピュータ関連などをおもに執筆するライター。PC開発を経て、パソコン雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスワン」編集長を経てフリーランスに。All Aboutの「DVD ・HDDレコーダー」ガイドも務める。趣味はジョギング、水泳、自転車、映画鑑賞など。

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