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林正儀の「DLA-HD1」導入記<前編> − 3管を吊った視聴室のどこに設置するか

公開日 2007/03/27 10:54
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Phile-webでもお馴染みのオーディオ・ビジュアル評論家 林正儀氏がビクターのD-ILAプロジェクター「DLA-HD1」を自宅視聴室に導入した。これまで3管式のプロジェクターを天吊りし、ハイエンドなシアターライフを楽しんできた同氏だが、今回なぜHD1を導入することにしたのか、またHD1をどのようにして設置したのかをレポートしてもらった。


DLA-HD1に出会い、こころのさざ波が最高潮に

3管歴、はや15年である。三菱の単眼からソニーの「VPH-1252QJ」を経てまた三菱に戻り、天吊りの「LVP-2001」(製品データベース)でどれだけの感動を得たことだろう。120インチのホワイトマットアドバンスも、2年ほど前に新調。快調そのものといえる我がシアターライフではある。

だが、そこにさざ波が立ってきた。固定画素時代にむけ、どっと各社から登場してきた液晶、DLPなどのフルHDマシンである。ああ、Blu-ray DiscやHD DVDのハイビジョン映像(1080p)をHDMI接続で味わいたいものだ。心の中のさざ波は徐々に勢いを増し、ビクター「DLA-HD1」(製品データベース)との出会いで最高潮に達したのである。


今回導入したDLA-HD1

昨年発売されたDLA-HD10K
D-ILA方式については、実はかなり以前から気になっていたが、昨年7月に発売された2ピース構造の上位機「DLA-HD10K」(製品データベース)では私を決心させるには至らなかった。それは価格面の折り合いということよりも、ネイティブコントラストへのこだわりだと思う。3管の重厚な黒を見慣れた私には、少々のダーク階調では食指が動かない。その点HD1は光学絞りに頼ることなく、15,000対1の、驚異的な高コントストを獲得。輝く白からド〜ンと落とし込む漆黒のダーク表現まで、余裕をもって投射しきるのだ。これぞ、波長レベルの光学スリット(ワイヤーグリッド)をもつ0.7型D-ILAデバイスの成せるワザだ。2倍ズームの新光学エンジン(フジノン製オールガラスレンズ)に加え、フル10ビット処理のビデオ回路、ジェナムのGF9351プロセッサーなど、贅の限りをつくした部品や技術を投入している。HDMI入力も2系統だ。

今は台の上から投射している


天井を2週間眺め、3管/HD1ともに天吊りにしてしまおうと決心


3管の前に設置しようと決心!
もともと15畳ほどのオーディオルームをーシアター用としても使用している。古いオーディオ仲間は天吊りの3管プロジェクターに驚くけれど、さて問題は3管とHD1との折り合いをどうつけるのかだ。あっさり新旧交際させればことは簡単。だが、まだまだアナログライクな3管も捨てがたい。とはいえHD1を下に置きたくはないわけだ。じゃあいっそのこと両方とも天吊りでいこう! と、迷いを捨てた。

天井を眺めること2週間。幸いLVP-2001のために長い2本のレールを吊ってあり(この工事が大工事だったが)、これをうまく活用すればよさそうである。当然HD1専用の金具は使うけれども、今回は業者に頼まず、すべて自前でトライしたい。次なる課題は、LVP-2001の前・後どちらに吊るかである。後ろなら120インチのロング投射ができるのだが、3管の影になる。さりとて前では引きが不足する。悩ましい限りだが、再び決心をした。前置きでいくぞと…。秘策も浮かび、はてどういう展開になりますやら。実際の作業は後編を乞うご期待である。

(林正儀)


→後編はこちら


【林 正儀 プロフィール】
福岡県出身。工学院大学で電子工学を専攻。その後、電機メーカー勤務を経て、技術系高校の教師というキャリアを持つ。現在、日本工学院専門学校の講師で、音響・ホームシアターの授業を受け持つ。教鞭をとっている経験から、初心者向けに難しい話題をやさしく説明するテクニックには特に定評がある。主な著作に「レーザービジョン ディスク入門 AV新時代を拓く」(啓学出版刊)や「ビデオとビデオディスクプレー ヤーの選び方」(音楽之友社刊)がある(これはLDのハードウェアを国内で最初に紹介した本)。自宅視聴室に3管式プロジェクターとD-ILAプロジェクターを常設し、ホームシアター研究のための努力と投資は人一倍。フルート演奏が趣味という一面もある。

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