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<CEATEC2006:日立>次世代テレビに搭載予定の高画質化技術を公開

2006/10/03
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日立ブース。Woooの薄型テレビを大量展示
日立製作所のブースは、前面に“Wooo”最新モデルを大量展示。先日発表したばかりの60V型フルHDモデル「W60P-XR10000」や、来年に発売予定の50/42V型フルHDモデルを参考展示するなど、同社のプラズマテレビにかける強い意気込みを伺わせる構成だ。

60V型フルHDモデル「W60P-XR10000」

来年発売予定の50V型フルHDモデル

ブースで大きくスペースを割いて紹介しているのが、将来、同社が薄型テレビに搭載する予定の高画質化技術だ。

「なめらか動画表示」技術は、24コマの映像を60フレームに変換する際、通常の2-3プルダウン処理では映像のガタつきが目立つところでも、滑らかに60フレーム化できるというもの。映像の動きベクトルを検出し、補正を加えた新たな中間フレームを生成することで実現する。ただし、計算処理が複雑になるためリアルタイム処理が難しく、また誤動作を調整する必要もあるという。説明員は「次の次の世代のテレビに搭載したい」と語ってくれた。

「なめらか動画表示」技術のデモ

「なめらか動画表示」技術の概要

動きベクトル補正で中間フレームを生成

「超解像」技術は、フレームとフレームを重ね合わせることで高解像度化を実現する技術。従来、複数フレームで処理を行う技術は数多く発表されていたが、今回、重ね合わせに必要なフレームを2枚にまで抑えることに成功した。デモでは、640×360の映像を2枚重ね、1,280×720の映像を生成。処理には「1画素ずつを合わせることが必要になる」といい、計算処理は膨大になる。実用化はまだ先になりそうだが、高解像度化された映像は、通常の拡大表示とは次元の異なる精細さを感じさせた。

「超解像」技術のデモ。モノスコの精細感を損なわずに画面を拡大

「超解像」技術の概要

また同社ブースでは、テレビポータルサービス(関連ニュース)を使った、IPTVのデモンストレーションも実施。テレビポータルでは、2007年にストリーミングVODサービス、2008年度中にダウンロードサービスなどを順次開始する予定で、これを“Wooo”に搭載するための基盤技術やGUIなどが公開された。試作したGUIは「チューブファインダー」というもので、左側に「保存場所」「ジャンル」「ユーザー」などの項目を表示。それぞれを選択すると、条件に合致したコンテンツが絞り込まれ、右側にサムネイル付きの一覧を表示するというもの。

GUI「チューブファインダー」

項目を一つずつ選んでいくと対象のコンテンツが絞り込まれる

WoooにはHDD内蔵モデルがラインナップされているため、テレビポータルによるIPTVがスタートした際には、放送コンテンツ、ダウンロードコンテンツなどを内蔵HDDにまとめて保存することが可能になる。

そのほか、液晶テレビでは、IPSαパネルの視野角の高さを強くアピール。さらにLEDバックライトを用いた液晶テレビの試作展示や、中間フレームを挿入することで動画表示性能を高める技術などもアピールしていた。

液晶の動画応答性能を高める技術のデモ

LEDバックライトの液晶テレビと通常のものとの比較も行われた

(Phile-web編集部)

ceatec2006report

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