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【特別企画】開発者が技術の詳細を語る

テクニクス秘伝の技術を投入。“OTTAVA S”「SC-C50」のサウンドはワイヤレススピーカーの概念を覆す

公開日 2019/03/08 06:00 聞き手・記事構成:生形三郎
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設置する環境に合わせてチューニングする「Space Tune」

ーー 設置環境に最適な自動補正を行うSpace Tune機能も、SC-C50の大きな魅力ですね。

奥田 リビングなどの生活環境で使っていただくとなると、どのような部屋に、またどのような場所に置いてもいい音で聴いていただけるようにすることは重要だと考えました。それを実現するのがSpace Tuneで、SC-C70で初めて搭載した機能となります。

実はSpace Tuneに用いられている技術は、松下電器の音響研究所の時代から研究されている音響計測技術で、社内での製品開発における音作りで使用しているツールを転用したものなのです。つまり、門外不出の技術といえます(笑)。

Space Tuneの詳細を解説する奥田氏

ーー 長年の研究開発で培った解析技術をホームオーディオに組み込んでしまったと・・・。

奥田 そうです、ですからかなり贅沢なことをしているのです(笑)。SC-C70の時はiPhoneやiPadのマイクを使って補正を行っていましたが、もっと簡単に、本体だけで補正が行えたほうがより多くの方に使ってもらえると考えました。そしてSC-C50では、スマートフォンを使わずに、内蔵マイクによって本体だけで補正ができる「Space Tune Auto」を実現したのです。

オートモードでは、特に壁や床に近づけた時の反射によって低域が膨らむ問題を改善することにフォーカスしています。さらに詳細な補正を必要とする方のために、iPhoneを使ってのSpace Tuneにも対応しています。

「Space Tune Auto」を実行中の本体ディスプレイ。立方体のグラフィックが表示される

なお、Android端末への対応も技術的には可能なのですが、マイクの性能差が機種ごとに大きいため、機種によるマイク特性の差が少ないiOS端末のみへの対応となっています。

ーー iPadでSpace Tuneも試しましたが、よりリスニングポイントに近い位置から測定できることもあり、さらに緻密に補正されるという印象でした。

奥田 Space Tune Autoの場合は、より柔軟な対応ができるように低域部分の補正に留めています。iOS端末を使う場合は、高域まで補正を行います。より手軽なAutoと、シーンに合わせて使い分けていただけたらと思います。

iPad版「Technics Audio Center」でSpace Tuneを実行しているところ

ーー 補正の追い込みなどは、開発の苦労が多かったのではないでしょうか。

奥田 Space Tune Autoでは、なるべく手軽に最適化を行ってもらえるように、測定時間を大幅に短縮させました。

ーー Spece Tune/Space Tune Autoは、部屋の広さはどれくらいまで対応可能なのでしょうか?

奥田 特に制限はありません。iPhoneで測る場合でも、大体5mくらい離れていても問題ないように設計しています。

湯浅 それから、SC-C50の登場に合わせて、操作アプリも「Technics Audio Center」へと進化しました。もともと「Technics Music App」というアプリがありましたが、今回、Googleのサービスへの連携対応に合わせてアプリも刷新したかたちです。基本的な使い方は大きく変わっておらず、入力切り替えから音量調整、ストリーミングサービスへのアクセス、USBメモリーやNASの音源の再生などが行えます。

奥田 アプリからの操作だけでなく、本体から直感的に操作できる「お気に入り(FAV)」機能も用意しています。これはよく使うストリーミングサービスやインターネットラジオ、USBの楽曲などを最大9つまで登録して、本体からワンボタンで呼び出せる機能となります。

ーー 単体ラジオのように使えて、普段使いに重宝する便利な機能ですね。

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