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ローンチから半年、今後の展開を聞く

Netflixが考える “4K/HDRの次” とは? グレッグ・ピーターズ社長インタビュー

公開日 2016/05/17 10:00 インタビュー:編集部 風間雄介
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−−色の話が出ましたが、色域規格にはRec.709やBT.2020などがあります。配信に使っている規格は何でしょうか?

ピーターズ氏:HDRではすべてBT.2020に対応する予定です。

−−BT.2020が次第にスタンダードになろうとしていますが、これについてはどうお考えですか?

ピーターズ氏:BT.2020については、まだそれをしっかり再現できるテレビがありませんので…。ただし配信する側としては、それをいかに実現させていくかを検討しています。

−−4Kの次には8Kが控えています。Netflixでは非常に早い段階で4K撮影を始めていました。8Kについても、すでに撮影を始めているのでしょうか?


8KよりもHFRや色再現性能向上に取り組む、とピーターズ氏
ピーターズ氏:いえ、まだ始めていません。8Kよりも、先ほど申し上げたハイフレームレートや色の方が、より大きな利点があると思います。決して8Kそのものに反対しているわけではないのですが、4Kから8Kに変わった際の差というのは、よほど大きな画面でないと分かりません。それであれば、他の部分に力を入れた方が良いと思います。

−−映像のビットレートについておたずねします。毎月、ブログでスピードインデックスを発表されていますね。あれを拝見していると、同じ画質をより低いビットレートで提供することを目指しているように感じます。そうではなく、画質を高める方向に進むことはしないのですか?

ピーターズ氏:画質を高める方向に向かっています。決まったビットレートであれば、より良い画質を提供していきたい。最高の画質を少ないビットレートで提供することを目指したいと思います。

−−音質についても聞かせてください。現在、Netflixではドルビーデジタルプラスを採用していますが、さらに品質を高めたロスレスオーディオやオブジェクトオーディオについてはどのようにお考えでしょうか。

ピーターズ氏:もちろん画質同様、音質向上にも大きな興味がありますが、画質にくらべて難しい点があります。画質はテレビメーカーと協力することで高めることが比較的容易ですが、音の場合は関わってくるものが非常に多く、機器も様々な種類のものがあります。

もちろん我々で可能な範囲の努力は続けますが、よりお客様がかんたんに使えるオーディオ環境を提供するには、メーカーさんのご協力も必要だと思います。


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