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”梶浦サウンド”はどうやって生まれる?

梶浦由記に訊く、音楽づくりと作品との関係。『ソードアート・オンライン』等最新作を語る

公開日 2016/01/14 11:05 アニソンオーディオ編集部:押野由宇
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作曲家/音楽プロデューサー・梶浦由記さんについて、もう今更、詳しい紹介などは必要ないだろう。『魔法少女まどか☆マギカ』や『Fate/Zero』、『空の境界』など人気タイトルの劇伴を担当すると共に、FictionJunctionとしての活動や、Kalafinaのプロデュースなど幅広いステージで活躍する、押しも押されもせぬ実力者だ。

梶浦由記

そんな梶浦さんだが、もちろん2016年になっても活躍の勢いは衰え知らず。現在分かっているだけでも『ソードアート・オンライン』シリーズの楽曲をまとめたコレクション・アルバムのリリースや、放映が始まったばかりの『僕だけがいない街』の音楽担当、ライブも精力的に行っていく等々、スケジュールはパンパンだ。

この度、その時間の合間を縫って、2016年3月下旬発売予定となるアニソンオーディオ誌のインタビュー企画に梶浦さんが応えてくれた。こちらの記事では特に直近の作品や活動についてフィーチャーしてお届けしよう。


第1話を見てホッとする

−− 梶浦さんの音楽は非常に印象的なものが多く、作品の持つ世界にとてもマッチしておりアニメファンからも高い支持を得ています。これらの楽曲やメロディは、どのようにして生まれるのでしょうか?

梶浦由記さん(以下、梶浦)  そうですね、大体は原作のマンガや小説であったり、脚本を読んだりした時に思いつきます。あとは結構、打ち合わせの時が多いです。監督や音響監督の皆さんとこうしたい、ああしたいとお話していると、すでに読んでいた原作と、お話で掴んだイメージに引きずられて曲が出てくることがあるんです。

以前はなんとなくその時に、普通のノートに五線譜を引いて、メモしていたんですよ。けど、それって何というか、偉そうかなって(笑) 「あっ、音符書いてる」みたいになるのも恥ずかしいので。今はノート自体を五線紙にして、ちょっと書いても目立たないようにしています(笑) そのパッと浮かんできたものが、メインになったりすることが多いんですよ。だから作品の持つ熱というのももちろんなんですけど、作り手の皆さんのこうしたい、といった熱もすごく大事で、そこに喚起されて生まれてくるものもあります。

−− 数多くの作品に関わってこられた中で、特に印象に残っているタイトルなどはありますか?

梶浦 これがいつも困るんですけど、どれが思い入れが深い、というものはないんです。あるひとつの作品に関わることになれば、数ヶ月ずっとその作品に向き合って、その度に全力で取り組みますから、特にどれがと言えないんですね。それぞれに必ず何かがあるので、うーん、何かあったかな(笑)

−− 最新のタイトルですと、1月27日に『ソードアート・オンラインミュージックコレクション』がリリースされますね。この『ソードアート・オンライン』という作品に関してはいかがでしょう?

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