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ベイシスケイプ 崎元氏へのインタビューも掲載

8年を経て生まれ変わった傑作RPG『オーディンスフィア レイヴスラシル』の音楽的魅力に迫る

公開日 2016/01/14 11:00 アニソンオーディオ編集部:押野由宇
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2D横スクロールRPGの最高峰。2007年に発売されたPlayStation(以下PS) 2用ソフト『オーディンスフィア』をショップで一目惚れし購入、プレイしていた時の印象だ(実際には、ただただその世界観に飲み込まれ、何も考えず没頭していたが)。

その『オーディンスフィア』が、“リ・クリエイト”された。『オーディンスフィア レイヴスラシル』と銘打たれた本作は、初代と同様にヴァニラウェアが開発、ベイシスケイプが音楽を担当している。

オーディンスフィア レイヴスラシル

この記事は、本日発売となった『オーディンスフィア レイヴスラシル』の魅力について音楽面から迫ろうというものだ。本作の音楽を担当されたベイシスケイプの崎元 仁氏にインタビューも行っているので、本題は2ページ目からとなる。お急ぎの方はそちらに飛んで欲しい。このページでは簡単に、ゲームの紹介をしておきたい。

どこまでも美しい世界観

『オーディンスフィア レイヴスラシル』がどういったゲームか、という面においては、とにかく動いている絵を見るのが一番分かりやすい。



これで、2Dで横スクロールのアクションRPGというイメージが掴めたと思う。動画が再生できる状況にない方に向けて文章でも述べておくなら、恐ろしいほどに出来の良い動く絵本、といったところ。紙を引っ張ってキャラクターを動かすような物理的なギミックではなく、描かれた絵そのものがリアルタイムに変わっていくようなイメージだ。

絵本という言葉を使ったが、『オーディンスフィア レイヴスラシル』の物語は本に記された叙事詩と言える。本作は屋根裏部屋にある書庫から始まる。そこで少女アリスが、1冊の本「ワルキューレ」を見つけ、読み進める。それは本作の登場人物の1人であるグウェンドリンが主人公の物語。本1冊につき1人の主人公が存在し、ストーリーが完了するごとに次の本を読んでいき、全体のストーリーが進んでいく構成となっている。

このように“物語”色の濃いストーリー性が特徴の本作だが、それをとりわけ印象づけるのがビジュアルと音楽だ。




ヴァニラウェアの作品に共通する点として、極めて美麗かつ緻密なビジュアルの美しさが挙げられるだろう。記者も元々はそのイラストに惹きつけられて『オーディンスフィア』を購入しているし、所持ハードの関係で持っていないソフトもあるが、『朧村正』や『ドラゴンズクラウン』はそれとは知らず手にとってヴァニラウェアの名前に納得した。

『オーディンスフィア レイヴスラシル』では、そんなビジュアルが大幅にパワーアップしているのだ。全グラフィックがHD化され、PS4とPS3版ではフルHDにも対応。そして画面は16対9にワイド化され、ドラマティックな描写に拍車をかけている。

これはハッキリ言って、ハンパない。大画面で堪能すべきだ。ラインアップはPS4とPS3、PS Vitaとなっており、クロスセーブが可能。家用と出先用に2本買った方が良い、と言いたいがお財布の事情もあるだろう。いずれか1本に絞るのであれば、PS4かPS3版が良いのではないだろうか(個人的な意見です)。

そして、『オーディンスフィア レイヴスラシル』では、楽曲の追加や一部アレンジなど、音楽面も強化されているのが嬉しい。音楽の存在がゲームにおいて極めて重要な役割を担うことは言うまでもないが、本作では音楽が物語の中に溶け込み過ぎている感すらある。これ程までに“オーディンスフィアそのもの”という音楽は、どのようにして生まれたのだろうか?

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