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【特別企画】新素材によるフォームチップ開発中

コンプライCEOが語る、音楽リスニングを変えるイヤホンチップ開発秘話

公開日 2015/01/16 13:15 インタビュー/記事構成:ファイル・ウェブ編集部
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■低音の遮音性を向上させる新チップを開発中

−− では続いて、最新の製品ラインナップについてお伺いしていきたいと思います。先ほどお話に出た縦長形状のPシリーズやまん丸いTsシリーズのほか、ベーシックモデルの「Tシリーズ」や耳あかガード付きの「Txシリーズ」、初心者向けの「Sシリーズ」など、様々な製品がありますよね。

Tシリーズ

Sシリーズ

オリヴェイラ氏: ほかには、iPhone/iPadに付属する純正イヤホン向けの「Whoomp!」も日本で発売開始しました。あとカスタムIEM用のフォームチップ「ソフトラップス」もあります。これはUltimate Earsの創業者であり現JH Audioのジェリー・ハービー氏から「カスタムIEM向けのフォームチップを作ってほしい」という要望を受けて開発したものなんですよ。

Whoomp!

ソフトラップス

−− さらに、つい先日のCESではスポーツ向けのモデルも発表されましたよね(関連ニュース)。既にラインナップは充実していますが、さらにこれからどんな展開を考えているのでしょうか?

オリヴェイラ氏: まず課題としているのは、イヤーパッドの開発です。今は軍用のみの開発にシフトしていて、2015年中に新モデルを出す予定です。なおこの軍用イヤーパッドには、新開発の特別な発泡素材を使用する予定なのですが、同じ発泡素材を使った音楽リスニング向けのイヤホンチップを現在開発中です。

−− それは楽しみですね。新しい発泡素材にはどんな特徴があるのか、現時点でお伺いできるところまでお聞かせ頂けませんか?

オリヴェイラ氏: 新開発の発泡素材は、アメリカの国費補助を受けて開発したものなんですが、遮音性をさらに向上させられることが特徴です。ポイントとしては、低周波数帯域をより効果的にブロックできるようになることですね。低周波数帯域は通りやすいので、これをブロックできるようにすることで、遮音性が向上するはずです。

また、この新開発の発泡素材はよりフレキシブルなので、例えばこれまでにはできなかったような形状のフォームチップも製作できるかもしれません。形状を工夫することで同時に、従来モデルと同等の遮音性を従来よりも少ない素材で実現できるかもしれない。そんな様々な可能性を考えつつ、どんな製品にするか検討しています。

−− 製品化がとても楽しみです。ちなみに、新しい発泡素材で音質への影響はどうなるのでしょうか? 日本では現在、ハイレゾの機運が高まってきていたりもするのですが、そのあたりについてはどうでしょう?

オリヴェイラ氏: もちろん音楽リスニング用として適したものができるように配慮していきます。私たちは40人ほどのカンパニーなのですが、そのうち10人ほどが技術者として日々研究を重ねていまして、ハイレゾと発泡素材の聴こえ方の関係も試していきたいと思いますね。

また、コンプライTMとしては補聴器ビジネス自体は今も続けていますし、イヤホンチップの開発に関しても引き続き軍用とコンシューマー用の両方を手がけています。私としては、人の聴覚を守っているという部分で、製品を通して社会貢献ができている面もあると思っていまして、この仕事に非常に満足感を持っています。

−− 素晴らしいですね。新しい発泡素材を使った新フォームチップが登場するのを楽しみにしています。本日はありがとうございました。

(インタビュー/記事構成:編集部 杉浦みな子)

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