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同社初のUSB-DAC/ヘッドホンアンプの全貌に迫る

マランツ澤田氏に訊く、ヘッドホンアンプ「HD-DAC1」で実現したHi-Fiアンプの理想形とは?

公開日 2014/10/02 11:30 構成:ファイル・ウェブ編集部 小澤貴信
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NA8005を超えた!? マランツの技術を結集したUSB-DAC
■「私のフィーリングでは、HD-DAC1の方がより細部まで表現してくれる」

HD-DAC1を据え置き型USB-DACとして使おうと検討しているユーザーは多いはず。本機のUSB-DAC部分は、今年春の登場以来、高評価を得ているNA8005と同等のものを搭載しているのだ。では、HD-DAC1とNA8005は、仕様面、音質面でまったく差がないということなのだろうか。

据え置きUSB-DACとしても高い性能を誇る本機のサウンドは、NA8005を凌駕している部分があるという

「HD-DAC1は、基本的にNA8005のUSB-DACを踏襲しています。LAN入力は非搭載ですが、USB-B(PC)とS/PDIFに関しては、入力回路からDACデバイス、クロック、アナログステージまで同じ回路構成です。一方で、LANを搭載しないことによる音質面での優位性は当然あります。ネットワーク・スタンバイ用の電源も、LAN入力を受けるデバイスを常時ONにさせておく必要もないので、NA8005よりも電源の余裕やノイズの点で有利です」

「これは私のフィーリングですが、HD-DAC1のライン出力と、NA8005のUSB-DACのライン出力を比較すると、HD-DAC1の方がいくぶん端正な音がします。ディテールの再現性ならば、HD-DAC1の方が優れているはずです」。

■デジタル・アイソレーションシステムも回路構成に合わせて最適化

HD-DAC1は、NA8005と同様にデジタル・アイソレーションシステムを採用する。すでにNA8005のレポートなどで度々紹介しているが、これはDACの直前にアイソレーターを配置することで、PCや各入力から混入する高周波ノイズを徹底して除去するというものだ。しかし、仕様表を見てひとつ気になったことがある。アイソレーターがNA8005では6基12回路だったのが、HD-DAC1では8基16回路に増えている。

「HD-DAC1のデジタル部は、ヘッドホンアンプのゲイン切り換えやミュートをコントロールするためのマイコンを搭載しています。マイコンのこの機能はNA8005にはないものですが、ノイズ源になり得ます。だから、このマイコンからアナログ回路に行くノイズを遮断するためにアイソレーターを追加しました。それだけ厳密にアイソレーションを図っているということです。コントロール信号程度ならそれほどノイズを出さないだろう、という考え方もありますが、それを許すと抜け道ができてしまいます。ノイズ源は徹底的に排除したかったのです」(澤田氏)。

ちなみに、HD-DAC1も44.1kHz系と48kHz系で2つのマスタークロックを使ったデュアルクロック方式、そして低位相雑音クリスタルを採用する。この点は、NA-11S1以降のマランツのハイレゾ製品のクロックシステムを踏襲している。

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