新製品批評
Phile-web >> 製品批評 >> Victor Digital Hi-Vision Movie「GR-HD1」

第2回
「GR-HD1」使用レポート 〜撮影編〜
2. 「GR-HD1」徹底画質評価

その画像は、まさしくハイビジョンの画質だった。ビクターが発売した家庭用ハイビジョンビデオカメラ・GR-HD1は、これまでとは次元の違う映像の世界を我々に提供してくれたのである。


その違いはまず解像度に表現された。建物の細かなデザインは肉眼で見たのとほとんど差がないぐらいリアルに表現され、あちこちの軒下で見られた氷柱はその一つひとつが克明に再現された。解像度の高さから生み出された豊かな階調表現は、雪の表面に見られる微妙なグラデーションも見事なまでに再現することを可能にしている。ここまでの再現力はまさにハイビジョンだからこそ可能になったのだと言える。若干、輪郭が強調気味という傾向があるが、家庭用として考えればこの程度の強調はむしろ好まれるはずだ。とにかく静止した風景画をモニターでじっと見ていると思わず引き込まれそうになるほど臨場感のある映像を見せてくれるし、ハイビジョン映像の特徴である16:9のワイド映像はまるで実風景を窓越しに見ているような感覚すらおぼえてしまう。それほど映像にリアル感があったのだ。
撮影した映像を視聴
VICTORの業務用CRTディスプレイ「DT-V1701C」を使い画質を評価する会田氏

DT-V1701C
HD1では118万画素CCDを単板式として採用するが、当初は色の表現力で物足りなさを感じるのではないかと見られていた。しかし、撮影した映像を見る限り、その心配はほとんど不要だった。確かにそれは今までの民生機のようにやや誇張気味の色再現性に見慣れた目にはやや不足気味に映るかもしれない。HD1が表現した映像はその辺りを強調しすぎることなく、きわめて自然に表現する。ある意味、単板でここまでの表現力を実現したことは大いに評価すべきだと思うのだ。それと、ここまでの低価格を実現したからにはレンズなどに影響が出るのではないかとも思ったが、周辺部の歪みもほとんど感じられず、ハイビジョン映像を撮影するあたって不足を感じることはほとんどなかった。

また、今回は比較のためにビクターのDVカメラ・GR-DV5000も持参したが、その映像と比較しても差は明らかにあった。とくに違いを感じたのは奥行き感だ。ビデオ映像は2次元の表現でしかないのに、HD1の映像にはその遠近感が実にハッキリと見て取れる。DV5000も基本的に解像度が高く、そういった部分での能力は高いはずなのだが、両者の違いは歴然だ。ただ、動きの速い映像となると30Pで撮影するHDモードはその動きがややぎこちなくなる。カメラの前を横切るクルマの動きはパラパラとするし、カメラをパンニングしても同じような印象が生じる場合がある。これは手持ち撮影を行った場合に不自然さが生まれることにもつながる。やはりHD1の真価を引き出すには三脚にしっかりと固定し、被写体をじっくりと撮影することだ、といっていいだろう。そもそもハイビジョン映像はワイドで高解像度という特徴を持っているだけに、これまでのビデオとは撮影方法や見せ方がまるで違う。ハイビジョンならではの撮影方法を心掛けることでHD1の魅力はさらに高まるはずだ。
DVカメラと比較
VICTORのDVカメラ「GR-DV5000」とHD1を並べ、同じ風景を撮影し、映像の比較を行った。
機材提供 (株)ケンコー(SLIK ビデオグランデII、マルチアームII)

GR-DV5000

画質比較

<写真クリックで拡大>
この映像の四角い囲みの部分を拡大して比較した。
<左>DV5000 <右>HD1

第1回 1. Hi-Visionとは
2. 「GR-HD1」概要
3. 「ビクターハイビジョンワールド」
 ■ハイビジョン [用語解説]
第2回 1. ハイビジョン映像を「撮る」
2. 「HD1」徹底画質評価
第3回 1. 専用ソフトで作品を創る
2. HD1の持つ様々な可能性