製品批評PERFECT

最新メカニズムとDACデバイスを採用し上級機に迫る世界を狙う記念モデル

文/藤岡誠プロフィール

製品名

SN比とDA変換精度は一流 音質・音調にも文句なし

製品画像

<1>P-05のリアパネル。デジタル出力はRCA同軸、AES/EBU、i.LINKを装備している。<2>D-05の背面。AES/EBU 入力を2系統持ち、Dual AESで使用する場合は、2本のXLRデジタルケーブルでトランスポートと接続する。<3>P-05に採用されているメカニズム、VRDS-NEO。ターンテーブルはアルミニウム製の高精度なもの。<4>D-05のDAC基板。写真は片チャンネル分で、同じものが2枚搭載されている。<5>P-05の付属リモコン。

P-05/D-05はP-03/D-03の設計思想をみごとに踏襲。機能もほとんど準拠。特別に高評価したいのは、トランスポートのオペレーションノイズ(動作・運転音)の静粛性である。かつてのP-0(S)、P-01、P-03を遥かに凌ぐ静粛性を持つ。P-05トランスポートを聴取伝送直近にセットしても、オペレーションノイズをまったく意識しない。これは大きな、ユーザー側に立った改良といっていい。ドライブメカニズムは新開発されたVRDS-NEOで、型名はVMK-5と呼ぶ。多くはこの新メカの能力によるものだが、筐体内部構造や遮音性も効果しているのだろう。また、トレイも高精度。ガタの発生を高度に抑えている。さらにDACチップも旭化成エレクトロニクス社製最新デバイスAK4397を採用。これはデルタシグマ型で、フル32bitの高速演算処理能力を誇る。加えていえば、VMK-5ドライブメカニズムは従来からのVRDS-NEOよりもコストは安く、静粛性の高さゆえ、今後欧米の高級メーカー/ブランドへOEM供給する可能性が濃厚。

CDの微小レベル時のSN比、DA変換精度は一流。音質・音調も文句なし。ひょっとすると上級2機種のモデルよりも好まれるかもしれない。静粛性と共に高く評価されること間違いなし。特に静粛性能については今後、上級型へフィードバックされるだろう。また、それを期待したいと思う。とにかくセパレート方式でなくては到達しない水準であり、透明度、分解能、一音一音の粒立ちは最高レベルだ。

<この製品の情報は「オーディオアクセサリー」126号にも掲載されています>

スペック

【SPEC】
<P-05>●再生可能ディスクフォーマット:スーパーオーディオCD/CD/CD-R/CD-RW ●デジタル出力:i.LINK端子2(4P/6P)、XLR端子2(Dual AES出力時は2端子を使用)、RCA端子1 ●ワードシンク:BNC端子1(44.1、88.2、176.4、100kHz)●消費電力:16W ●外形寸法:442W×126H×332Dmm(突起部を含まず) ●質量:14kg
<D-05>●全高調波歪:0.002%(1kHz) ●周波数特性:5Hz〜50kHz +0.5dB/-3dB(スーパーオーディオCD) ●S/N比:112dB(JEITA) ●デジタル入力端子:i.LINK(AUDIO)端子2(6P/4P)、XLR端子2(Dual AES入力時は2端子を使用)、RCA端子1、OPTICAL端子1 ●アナログ出力端子:XLR端子1、RCA端子1 ●ワードシンク:BNC入出力1 ●問い合わせ:(株)ティアックエソテリックカンパニー AVお客様相談室 TEL/0570-000-701



記事中の表記は、すべて初出時のものです

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