エコポイントを活用してエコAVライフをはじめよう!

いよいよスタートしたエコポイント制度。でもエコポイントって具体的にどういうもの?どうしたら利用できるの?といろいろな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。そんな方々に向けて、オーディオビジュアルのエキスパートであるAV評論家・大橋伸太郎氏がエコポイント制度について、わかりやすく解説します。

 
さて、エコポイントの概要についてはご理解いただけたでしょうか。このページでは、最新エコモデルのトレンドについて解説したあと、私たちがテレビを観る際にエコを楽しむ方法について考えてみましょう。

最新エコモデルのトレンド解説
エコへの取り組みその1 工場の環境負荷低減を実施
テレビのエコロジーについて考える際、一般的にイメージされるのは消費電力の低減でしょう。これを抑えることで発電時に発生するエネルギー消費やCO2の排出を抑えることができます。

ですが、消費電力の低減だけがテレビのエコロジー対策ではありません。テレビが製造される時のことを考えてみましょう。薄型テレビのパネルなど様々な部品を作ったり、部品を組み立てる際のエネルギーも非常に大きなものです。また製造時に有害な物質が排出されては、いくら消費電力が低くても環境に与える被害は甚大です。

このため、各社とも工場の環境負荷低減に力を入れており、たとえばAQUOSの製造で有名なシャープの亀山工場では、太陽光発電やコ・ジェネレーション、燃料電池などの最先端のエネルギーシステムを利用することでエネルギー消費を大幅に削減。さらに製造工程で出てくる排出物の排出量を抑制したり、排水を100%リサイクルするなどの対策を行っています。


エコへの取り組みその2 環境にやさしい部材を使用
さらにテレビを廃棄する際の対策も重要です。テレビには大量の部品が使われています。また今や1世帯に複数台のテレビがあることも特別なことではありませんから、これらがそのまま廃棄されてしまったら、環境に大きなダメージを与えることは容易に想像がつきます。

テレビのリサイクルには2つの要素があります。1つはかつてのブラウン管テレビの部材を最新の薄型テレビに使えるよう、リサイクル技術の新規開発を行うことです。また2つ目のポイントとして、あらかじめリサイクルしやすい設計を施すとともに、環境負荷が低い材料を使用するなどの工夫を行うことも重要です。

シャープは関西ペイント(株)とデンプンを原料とするバイオ樹脂塗料を共同開発し、AQUOSのスタンドに塗装する技術を実用化させた
古くなったテレビのプラスチック部も資源として再利用している

後者については、今年4月から家電リサイクル法の対象製品に薄型テレビが追加され、リサイクルが義務化されたこともあり、たとえばシャープが筆頭株主の関西リサイクルシステムズ(株)が薄型テレビ専用のリサイクルラインを設けるなど、対策と技術革新が急速に進展しています。

テレビに使われる環境負荷物質の削減も進んできました。シャープの場合を例に取りますと、最新モデルではJ-Mossグリーンマークに対応し、構成パーツに含まれる規制対象化学6物質の含有率をすべて基準以下に抑え、キャビネットにノンハロゲン樹脂、プリント基板に無鉛はんだ、トウモロコシを原料とした植物系樹脂塗料を採用するなど、廃棄処理後も環境負荷を最小限に抑える工夫を行っています。

現在販売されている最新の薄型テレビを購入すれば、生産時の環境負荷が小さく、廃棄時にもかなりの部材をリサイクルできるので、環境にも安心というわけです。

エコへの取り組みその3 さまざまな省エネ技術を搭載
さてここからは、我々にとって身近な話題である、薄型テレビの低消費電力化について見ていきたいと思います。

統一省エネラベル

皆さんは「テレビの消費電力」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。かつては消費電力といえば、電気用品安全法に基づいて算出される「定格消費電力」を指すのが普通でした。ただし、この数字だけでは、家庭で使われる際、実際にどの程度の電力が消費されるのかわかりません。そこで最近クローズアップされているのが「年間消費電力量」という数値です。

「年間消費電力量」は実際の使用条件に近い条件で、年間に消費する電力量を表示したものです。薄型テレビの場合、1日に4.5時間視聴し、残りの19.5時間は待機状態だった、という仮定のもと、下記の計算式で算出します。また、この際の画質モードは「標準」で計測を行い、節電機能も勘案されることも覚えておきましょう。これらの計算の結果、「120kWh/年」といった数値が割り出されることになります。

年間消費電力量={動作時消費電力(節電機能を勘案)×4.5時間×365日+待機時消費電力×19.5時間×365日}÷1,000

この年間消費電力量がわかりさえすれば、大まかな年間の電気料金が計算できます。電気店で省エネ性能を☆印で表示したPOPを目にしたことがある方は多いでしょう。これは「統一省エネラベル」というもので、年間消費電力量をもとに、省エネ基準達成率を多段階評価したものです。☆が多ければ多いほど省エネ効果が高いことは当然で、エコについて考えるのであれば、☆印が多いものを候補にするべきです。また、☆印の下には、1年間の電気料金の目安も書かれているはずです。同じシリーズやラインでも、画面サイズによって電気料金は変わってきますから、機種選択時にはそのあたりも勘案する必要があります。

年間消費電力量の算出では、1日の視聴時間を4.5時間と設定していると先ほど説明しましたが、私見では、この4.5時間という仮定はやや短いのではないかと感じます。家にいるときはテレビを付けっぱなしにしているという方も多いはずです。テレビは季節を問わず、日本中の家庭で使われている、水や空気のような存在です。すべての家庭がテレビのエネルギーセーブを心がけたら、一台一台は微量であっても、日本中で莫大な電力の節約と、見えないCO2の削減につながるのではないでしょうか。

いずれにしても、薄型テレビの低消費電力化が急務であることは間違いありません。テレビメーカー全社がこのテーマに対して真摯に向き合っており、その結果、低消費電力化を実現した製品が続々誕生しています。

一説には、液晶テレビの消費電力のうち、約80%をバックライトが占めると言います。このため液晶テレビの場合、バックライトの改善が消費電力の低減に最も効果的です。具体的には、バックライト自体の高効率化はもちろん、光学的に改良した拡散板を採用することで光の利用効率を高めて、その結果バックライトの本数を削減したりなど、さまざまな技術革新が起こっています。

ここで再び、液晶テレビのリーディングメーカーであるシャープ“AQUOS”を例に挙げてみましょう。AQUOSでは、映像に合わせてバックライト光量と液晶パネルの開口量を同時に制御する独自技術と、電源回路の高効率化の合わせ技により、2009年春発売のAシリーズ、Dシリーズで業界ナンバー1の省エネ性能を達成しました。特に“アドバンスドエコモデル”という位置づけのAEラインは、現在の売れ筋サイズである40V型の「LC-40AE6」で年間消費電力量120kWh/年、待機時消費電力に関しても0.1Wという、飛び抜けた省エネ性能を実現しています。

▼AQUOS“EX5ライン”(08年3月発売)   ■AQUOS“AE6ライン”(09年4月発売)
型番 消費電力
(W)
年間消費電力
(kWh/年)
型番 消費電力
(W)
年間消費電力
(kWh/年)
52EX5 305 248 52AE6 185 175
46EX5 275 215 46AE6 150 145
42EX5 226 194 40AE6 120 120
       
激化する省エネ競争。シャープ“AQUOS”は1年間で消費電力を約半分にまで削減することに成功した


テレビをエコに使いこなそう
テレビメーカーにばかりエコロジー対策を任せていてはいけません。私たちユーザーも積極的にエコを楽しむべきです。

まめに電源をオンオフすることがその第一歩ですが、テレビを見る環境と時間帯に合わせて、まぶしくない明るさに調整することも大事です。映像ポジションがもしダイナミックになっていたら、これは主に店頭のデモモードですので、スタンダードかリビング、DVDやブルーレイを見るならシネマ(映画)系モードに変えましょう。

また最近の薄型テレビは、多くの製品に画面輝度の自動調整機能が搭載されています。テレビに内蔵した明るさセンサーで周囲の光を測定し、それに応じて画面の明るさを最適に調整してくれるというものです。太陽光が差し込む昼間のリビングと、間接照明などが多く使われる夜間のリビングで、同じ明るさの画面を見ていたとしたら、非常に消費電力のロスが大きく、第一目にもよくありません。購入時には明るさセンサーが搭載されている製品を選ぶのが賢明でしょう。

画面を最適な明るさに自動調整してくれる「明るさセンサー」で消費電力のロスを防ぐことができる
最新のテレビの多くは、明るさや色合いなどの設定項目を好みにに変更することができる(写真はAQUOS“DS6ライン”の設定画面)

その上でまだ明るく感じるようであれば、メニューに入ってコントラストやブライトネス(黒レベル)を下げ、長時間見ても目が疲れない程度まで明るさを下げましょう。これだけでさらに消費電力は下がります。

さらに、使用する際にはメニューの設定をもう一度確認してみましょう。放送終了後や一定時間操作がなかった場合などに、自動的に電源をオフにする機能があったら、この設定がオフになっていないか確かめるべきです。

エコポイントを活用して念願の最新薄型テレビを手に入れたら、これらの工夫をぜひ行ってみてください。環境にもおサイフにもやさしいテレビライフが待っているはずです。


前ページではエコポイントの概要を紹介しています
 
筆者プロフィール
大橋伸太郎(AV評論家)

1956年神奈川県鎌倉市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。フジサンケイグループを経て(株)音元出版に入社、1990年『AV REVIEW』編集長、1998年には日本初にして現在も唯一の定期刊行ホームシアター専門誌『ホームシアターファイル』を刊行した。2006年に評論家に転身。西洋美術、クラシックからロック、ジャズにいたる音楽、近・現代文学、高校時代からの趣味であるオーディオといった多分野にわたる知識を生かした評論に、大きな期待が集まっている。